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2002 年度 実績報告書

個体レベルにおける細胞の増殖と分化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14033217
研究機関福井医科大学

研究代表者

横田 義史  福井医科大学, 医学部, 教授 (50222386)

研究分担者 森 誠一  福井医科大学, 医学部, 助手 (10334814)
キーワードId2 / 細胞分化 / 増殖 / 遺伝子欠損マウス / CDKインヒビター / サイクリン
研究概要

bHLH型転写因子の機能抑制因子の一つであるId2は、細胞の分化と増殖の制御に深く係わっている。Id2欠損マウスが示す多彩な病態の解析をとおして、細胞の増殖と分化がどのように制御されているのかを個体レベルであきらかにすることが本研究の目的である。
1.Id2欠損マウスにみられる多動などの行動異常の原因を明らかにするために、線条体と黒質を含む種々の脳の領域の組織学的解析行ったが、有意なId2欠損マウス所は検出できなかった。一方、in situ hybridizationを用いて神経発生に係わるbHLH因子の発現解析を行い対照マウスとId2欠損マウスで比較ところ、11.5日齢胎仔ではMash1、neurogenin2に差は認めなかったが、Math2はId2欠損マウスにおいて大脳皮質の発現範囲が広くかつ強く認められた。また、11.5日齢胎仔の脳室帯での細胞増殖の程度をKi67抗体で検討したところ、対照に比しId2欠損マウスでは染色性が減弱していた。
2.抗GAD抗体を用いてGABAニューロンの数と分布を検討したが、対照とId2欠損マウスの差は認めなかった。しかし、スライス切片を用いた黒質網様部GABAニューロンの解析では、対照に比しId2欠損マウスで、自然発火頻度が1.3倍程度亢進していた。
3.Id2欠損マウスにみられる乳汁分泌不全の病態が、乳腺上皮細胞にサイクリンD1を過剰発現させることによりレスキューできないかをサイクリンD1トランスジェニックマウスとの交配実験で検討したが、レスキューされなかった。またCDKインヒビターの一つであるp27の欠損マウスとも交配実験を行ったが、病態の改善はみられなかった。
4.精巣セルトリ細胞のアポトーシスについては、表現型の浸透率が低いこと、マウスの遺伝的背景によりその程度が大きな影響を受けることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Fukuyama, S., et al.: "Initiation of NALT organogenesis is independent of the IL-7R, LTα1β2/LTβR and NIK signaling pathways but does require the Id2 gene and CD3-CD4+CD45+ cells"Immunity. 17. 31-40 (2002)

  • [文献書誌] Kusunoki, T., et al.: "TH2 dominance and defective development of CD8+ dendritic cell subset in Id2-deficient mice"J. Allergy Clin. Immunol.. 111. 136-142 (2003)

  • [文献書誌] Sugai, et al.: "Essential role of Id2 in negative regulation of IgE class switching"Nat. Immunool.. 4. 25-30 (2003)

  • [文献書誌] Hacker, C., et al.: "Transcriptional profiling identifies Id2 function in dendritic cell development"Nat. Immunol.. 4. 380-386 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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