研究課題/領域番号 |
14033217
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 福井大学 (2004-2005) 福井大学(医学部) (2002-2003) |
研究代表者 |
横田 義史 福井大学, 医学部, 教授 (50222386)
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研究分担者 |
黒岡 尚徳 福井大学, 医学部, 助教授 (00293879)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | 遺伝子 / 癌 / 遺伝子発現 / 細胞分化 / 細胞増殖 / ネットワーク / 転写調節因子 |
研究概要 |
Id2はbHLH型転写因子の機能抑制因子の一つであり、細胞の分化と増殖の制御に深く係わっている。多彩な表現型を示すId2欠損マウスの病態解析とin vitroにおける分子機能解析を組み合わせることで、Id2を介した生体応答ネットワークの全体像を理解し、細胞の増殖分化や機能調節に関わる生体制御システムを分子レベルで明らかにすることが本研究の目的である。得られた研究成果は以下のとおりである。 1.乳腺上皮細胞の増殖制御に関する解析 Id2欠損マウスとC/BBPβの欠損マウスは共に妊娠乳腺上皮細胞の増殖障害を示す。生化学的解析とC/EBPβ欠損マウスを用いた解析により、妊娠乳腺上皮細胞においてId2がC/EBPβの直接の標的遺伝子として機能していることを明らかにした。一方、Id2欠損マウスとMMTV-サイクリンD1トランスジェニックマウス(D1Tg)との交配実験から、サイクリンD1の過剰発現ではId2欠損マウスの病態は改善しないものの、D1Tgにみられる乳腺腫瘍や過形成はId2の欠損により軽減することを見いだした。 2.Idタンパク質の細胞内局在の分子機構 Id2のタンパク質の細胞内局在機構を検討し、Id2のHLH領域とC末端領域に、それぞれ核移行シグナルとCRM1依存性の核排出シグナルがあることを明らかにした。また、Id1タンパク質の核排出シグナルは、Id1のHLH領域のC末端側に存在することを示した。 3.神経幹/前駆細胞の増殖制御におけるId2の役割 Id2欠損マウスでは、生後8日目以降に嗅球の狭小化を来す。この原因として、Id2欠損マウスの傍側脳室帯の神経幹細胞/前駆細胞ではp21(CDKインヒビター)の遺伝子発現が亢進していることを見いだした。
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