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2002 年度 実績報告書

複数のサイクリン依存性キナーゼ複合体によるRNAポリメラーゼIIの転写制御の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14033226
研究機関大阪大学

研究代表者

大熊 芳明  大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教授 (70192515)

研究分担者 横井 雅幸  , 助手 (00322701)
キーワード基本転写因子 / TFIIH / TFIIE / 細胞周期 / RNAポリメラーゼII(Pol II) / サイクリン依存性キナーゼ / Znフィンガーモチーフ / 転写開始・伸長段階
研究概要

1 RNAポリメラーゼII(POl II)の転写に機能するサイクリン依存性キナーゼの解析
Pol II最大サブユニットCTDの7アミノ酸リピート配列2番と5番セリンがリン酸化され、Pol IIは転写完結能を獲得する。我々は、転写で機能し、このリン酸化を行なうCDK/Cyclin型キナーゼ3種(基本転写因子TFIIH、メディエーター複合体、転写伸長因子P-TEFb)の転写機能とキナーゼ基質特異性の相関を解析している。今年度は、メディエーター複合体の20個以上のサブユニットの1つのN末端にタグを付け、発現する細胞株から複合体を精製し、活性を確認した。
2.ヒトTFIIEαのZnフィンガー領域の構造解析
基本転写因子TFIIEはαとβサブユニットがα2β2の4量体を形成し、転写開始と伸長への移行に機能する。αは中央にZnフィンガーモチーフを有し、この領域は転写において機能している。さらに真正細菌と真核生物の中間に位置する古細菌にもZnフィンガー領域を含むTFIIEαのN末端相当領域だけが保存されていることが示され、種を越えた機能の重要性が考えられる。我々は、この領域がDNA結合型が一般である従来のものと異なり表面が負電荷を帯び、蛋白相互作用に重要な役割を持つことを明らかにした。
3.RNAポリメラーゼII(Pol II)の転写開始から伸長への移行段階の解析
TFIIEβサブユニットC末端ヘリックス領域に点変異を入れると、直鎖状DNA鋳型によるTFIIEの転写活性が失われた。これら変異は、TFIIHによるPolIICTDのリン酸化活性の促進能も失っていた。この領域は、転写伸長への移行活性に関与すると考えられる。その機能メカニズムは、TFIIHの転写伸長への移行段階での活性に重要なp44サブユニットとの結合が変異体では野生型より強くなったため、TFIIHとの作用変化が原因と考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Watanabe, T. et al.: "The carboxy terminus of the small subunit of TFIIE regulates the transition from transcription initiation to elongation by RNA polymerase II"Mol. Cell. Biol.. 23・8(発表予定). (2003)

  • [文献書誌] Fujita, N. et al.: "MCAF mediates MBD1-dependent transcriptional repression"Mol. Cell. Biol.. 23・8(発表予定). (2003)

  • [文献書誌] Uchida, A. et al.: "The carboxy-terminal domain of the XPC protein plays a crucial role in nucleotide excision repair through interactions with transcription factor IIH"DNA Repair. 1・6. 449-461 (2002)

  • [文献書誌] Fukumoto, Y. et al.: "Two budding yeast RAD4 homologs in fission yeast play different roles in the repair of UV-induced DNA damage"DNA Repair. 1・10. 883-845 (2002)

  • [文献書誌] 大熊 芳明: "基本転写因子の形成する転写開始複合体による遺伝子発現の調節"実験医学増刊 ゲノム機能を担う核・染色体のダイナミクス-複製、修復、組替え、転写機構からエピジェネティクス、高次生命機能・医学とのかかわりまで-. 20・11. 1517-1524 (2002)

  • [文献書誌] 半田 宏 編集: "転写がわかる-基本転写から発生,再生,先端医療まで"羊土社. 128 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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