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2002 年度 実績報告書

増殖から分化への切り換えを制御する二種の蛋白質分解システム

研究課題

研究課題/領域番号 14033231
研究機関広島大学

研究代表者

北村 憲司  広島大学, 遺伝子実験施設, 助手 (40214811)

キーワード遺伝子 / 細胞周期 / 蛋白質分解 / 発生・分化 / ユビキチン / 分子生物学
研究概要

申請計画に基づき、細胞分化の開始制御におけるユビキチン依存性蛋白質分解の役割を調べた。
分裂酵母のSte9蛋白質は、重要なユビキチンリガーゼであるAnaphase-promoting complex/サイクロソームのG1期における活性化因子である。Ste9が機能しない変異株はG1期で細胞周期を停止せず、細胞分化(接合、減数分裂、胞子形成)しないが、同時にGap1(Ras蛋白質に対するGTPase activating protein)が機能しない場合には、一倍体細胞が減数分裂を開始してしまう異常な性質を示す。この原因追求のため、gap1遺伝子を破壊した親株を変異誘起処理し、一倍体でも減数分裂する類似形質の変異株を単離した。取得した8つの変異株の原因遺伝子の特定から、これらはプロテアソームそのもの、又はその機能に密接に関係する蛋白質に変異を有する事がわかった。減数分裂開始制御破綻の原因として、プロテアソームによる蛋白質分解不全があると予想され、APC/Cの関与と、原因基質の同定を試みている。
取得した変異株は増殖時にも欠損があり、特に体細胞分裂時は、p38 MAPキナーゼがプロテアソームと協調しつつ細胞周期進行を制御している事を示す結果を得た。変異株の表現型から、両者が核分裂や細胞質分裂をコントロールしている可能性が示唆され、実際、細胞質分裂を制御するいくつかの蛋白質がユビキチン化されている事がわかってきた。
二つ目の蛋白質分解系であるN-end rule経路については、その主要な構成因子であるUbr1が細胞分化に必須である事、分化のみならず増殖時にもゲノムの安定性や細胞形態維持といった種々の事象に関係している事を見つけた。ubr1株の示す異常について、先に報告したN-end rule蛋白質分解経路の基質候補であるMei2の関与を含め、その原因を調べている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Masayo Morishita: "Phosphatidylinositol 3-phosphate 5-kinase is required for the cellular response to nutritional starvation and mating pheromone signals in Schizosaccharomyces pombe"Genes to Cells. 7. 199-215 (2002)

  • [文献書誌] Satoshi Katayama: "Fission yeast F-box protein Pof3 is required for genome integrity and telomere function"Mol. Biol. Cell. 13. 211-224 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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