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2003 年度 実績報告書

哺乳類嗅球発生におけるPax6遺伝子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 14034201
研究機関東北大学

研究代表者

野村 真  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10323007)

研究分担者 大隅 典子  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00220343)
キーワード哺乳類 / 大脳皮質 / 嗅球 / 神経細胞 / 細胞移動 / 細胞自律性 / Pax6遺伝子 / 全胚培養系
研究概要

脊椎動物の終脳先端部に形成される嗅球は、嗅覚の一次中枢として機能する脳の重要な領域である。この嗅球の発生機構に関する研究は非常に少なく、嗅球発生の分子機構は未だ不明の点が多い。興味深いことに、転写因子であるPax6の機能欠損マウス及びラット胚(rSey2)では、嗅球が終脳の先端ではなく、側面部に存在する。これまでの研究(平成13-14年度)によりPax6変異胚では嗅球神経前駆細胞の移動様式が異常であり、またこの異常が移動する細胞非自律的な異常であること、Pax6によって制御される終脳内在的なメカニズムが前駆細胞の移動様式を決定していることを明らかにしてきた。本年度(平成15年度)は特に分子実験発生学的手法を用いて嗅球神経前駆細胞移動を実際に制御すると思われる候補分子の機能解析を行ったが、少なくとも既知分子の機能阻害、もしくは回復実験では候補分子に相当するものは同定できていない。合わせてrSey2胚の嗅球様構造がどのような細胞から構成されているのかを、各種マーカー解析により再度検討したところ、嗅球様構造には多種類の介在神経細胞が存在することが明らかとなった。
また終脳の側面部に相当する組織は将来の旧皮質を構成すると考えられている。この領域は嗅覚系の神経線維が投射する領域であり、いわゆる嗅皮質を含んでいる。これまでの研究により、発生の初期に終脳の背側正中付近で生まれた神経細胞が終脳側面まで移動し、将来の嗅皮質を構成することが明らかとなっている。この細胞は正常では皮質と線条体境界で移動方向を変えるが、rSey2胚の終脳ではこの細胞が線状体領域まで侵入する。平成13-14年度までに、細胞移植実験によりこの異常も移動する細胞非自律的な要因で引き起こされることを見い出した。そこで平成15年度は、器官培養系を用いてこの神経細胞の移動を制御すると予想される分子の機能解析を行った。その結果、細胞膜分子であるEphA/ephrin-Aの分子機能を阻害するとrSey2胚に極めて良く似た神経細胞移動異常の表現型を示すことを明らかにし、この分子の神経細胞移動への関与を示唆するデータを得た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Nomura, N.Osumi: "Misrouting of mitral cell progenitors in the Pax6/Small eye rat telencephalon"Development. 131(4). 787-796 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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