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2002 年度 実績報告書

四肢/鰭の形成位置と形態の多様性を生み出すメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 14034204
研究機関東北大学

研究代表者

田村 宏治  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (70261550)

研究分担者 井出 宏之  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70022704)
キーワード四肢 / 肢芽 / 形態形成 / 前肢 / 後肢 / Tbx / 遺伝子発現 / 軟骨魚類
研究概要

FGF10添加による背中AER形成が哺乳類でも起こるかどうかを調べる目的で、マウス胚の全胚培養技術を獲得し、実際にFGF10添加により哺乳類胚の背中にもAERを形成できることを示した(投稿準備中)。
一方で、前肢・後肢の違いを生み出す機構を明らかにする目的で、さまざまな移植実験・組織培養実験を用い、tbx5/4遺伝子発現を指標にして解析を行った。その結果、前後肢identityの獲得は側板中胚葉の中で自立的に行われるのではなく、他の組織からの影響、とくに中軸組織からの誘導と抑制の作用が大きく影響していることを見出した(Saito et al.,2002)。さらに、詳しい移植実験とリアルタイムPCR機の導入による解析により、前後肢identity決定に関わる中軸組織が体節であることを示した(投稿準備中)。
四肢位置を決めるメカニズムの多様性と相同性を解析するために、トラザメ胚からfgf8、msx遺伝子の部分配列をPCR単離し、発現解析を行った。その結果、トラザメ胚ではわき腹の部分に鰭状の構造は観察されないものの、高等脊椎動物(四足動物)では、四肢位置に限局して発現するmsx遺伝子がわき腹にも発現していることを見出した。さらに同属のガンギエイ胚を用いてmsx、Tbx5/4、shh遺伝子の部分配列を単離し、発現解析を行った。体側部に大きなひれを持つガンギエイ胚ではmsx遺伝子が体側部全体に発現していること、その発現とTbx5/4の発現が一致することなどを見出した(投稿準備中)。
これらのことは、全ての脊椎動物が体側部と背中正中線上に四肢/鰭を形成する能力を持ち、個々の動物がそれぞれその能力の一部を使って、四肢/鰭の位置を決めている可能性に非常に示唆的である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Saito, D., Yonei-Tamura, S., Kano, K., Ide, H., Tamura K.: "Specification and determination of limb identity : evidence for inhibitory regulation on Tbx gene expression"Development. 129. 211-220 (2002)

  • [文献書誌] Yajima, H., Hara, K., Ide, H., Tamura, K.: "Cell adhesiveness and affinity for limb pattern formation"International Journal of Developmental Biology. 46. 897-904 (2002)

  • [文献書誌] Yokoyama, H., Tamura, K., Ide, H.: "Anteroposterior axis formation in Xenopus limb bud recombinant : A model of pattern formation during limb regeneration"Developmental Dynamics. 225. 277-288 (2002)

  • [文献書誌] Tamura, K., Amano, T., Satoh, T., Saito, D., Yonei-Tamura, S., Yajima, H.: "Expression of rigf, a member of avian VEGF family, correlates with vascular patterning in the developing chick limb bud"Mechanisms of Development. 120. 199-209 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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