1.vgおよびsdのクローニングと発現解析 マダラシミにおけるvgおよびsdの発現部位を同定する手掛かりを得るため、一個体を頭部、胸部、腹部に分割し、半定量的RT-PCR法を行った。その結果、sdは体のどの部分においても発現量に差は認められなかったが、vgの発現は胸部に局在していた。ショウジョウバエと同様にシミにおいてもvgは胸部特異的な機能を果たすものと推察される。 2.piggyBacを用いた遺伝子機能解析系の開発 異所的発現系には、テトラサイクリンOFFシステムを行うベクターを作製した。テストケースとしてドライバーにはショウジョウバエのhsp70プロモーター、オペレーターにはgfpを用いたコンストラクトを導入した形質転換ショウジョウバエを作出し、この系が有効であることを確認した。 レポーターアッセイには、異所的発現も可能なテトラサイクリントランスアクティベーター(tTA)とGFPとの融合タンパク質を用いることを形質転換ショウジョウバエを用い検討した。その結果、いずれのコンストラクトもGFPによる蛍光の検出は可能であったが、tTAの活性は中央部に挿入したコンストラクトにおいてのみ検出された。 ナミテントウの斑紋に関連した発現を示すエンハンサーの同定、および翅における異所的発現に必要なエンハンサーの同定を行うため、tTA::gfpによりエンハンサーを検出するベクターを構築した。このベクターを導入した形質転換ナミテントウを作出した。ナミテントウにおいてジャンプスタート法を行うためpiggyBacのトランスポゼースが不動化した形質転換体を得るためのベクターを考案した。このベクターを導入した形質転換ナミテントウを作出した。
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