• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

変態を制御するペプチド分子の進化的保存性と多様性

研究課題

研究課題/領域番号 14034262
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

藤澤 敏孝  国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助教授 (60000262)

キーワード神経ペプチド / 変態ホルモン / コリナージックシステム / 神経伝達 / 形態形成 / 進化的保存性 / ヒドラ / ネマトステラ
研究概要

1.新たに始めた花虫類イソギンチャクの仲間、Nematostellaのプラヌラ幼生の変態を制御する内在性の神経ペプチドLWamideファミリーの構造と機能の進化的保存性:ヒドラLWamideファミリーペプチドがプラヌラ幼生の変態を促進した。そこでNematostellaからLwamide遺伝子をクロン化した。遺伝子はヒドラと同様Lwamideペプチドをタンデムにコードする構造をとっていた。
2.コリナージックシステムから見た神経系の進化:ニコチン性アセチルコリン受容体(nAchR)は古典的神経伝達物質アセチルコリンをリガンドとする受容体であるが、腔腸動物では古典的神経伝達物質は無いか、働いていないというのが一般常識となっている。ところがわれわれはヒドラから7種のαタイプnAChR遺伝子と1種のコリントランスポーター(ChT)遺伝子を得た。これら遺伝子は芽体の予定触手域の外胚葉上皮で強く発現し、神経での発現はない。薬理学的な実験で、ニコチンは触手形成を増進させた。以上の結果は、ヒドラにコリナージックシステムが存在し、それは、神経系では無く、頭部形成に関与することを示唆する。一方、扁形動物のプラナリアではnAChRが神経系で発現していることが知られている。従って、コリナージックシステムは神経系を持つ最も下等な多細胞動物の腔腸動物では形態形成に関わっていたが、一段上位の扁形動物へ進化する過程でその機能が神経系へと移行したと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Shimizu, H.: "Peduncle of Hydra and the heart of higher organisms have a common ancestral origin."Genesis. 36. 182-186 (2003)

  • [文献書誌] Takahashi, T.: "Identification of a new member of the LWamide peptide family : Physiologica acitivity and cellular localization in cnidarian polyps."Comparative Biochemistry and Physiology. 135. 309-324 (2003)

  • [文献書誌] Fujisawa, T.: "Hydra regeneration and epitheliopeptides."Developmental Dynamics. 226. 182-189 (2003)

  • [文献書誌] Morishita, F.: "Identification of a vasopressin-like immunoreactive substance in hydra."Peptides. 6452. 1-10 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi