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2003 年度 実績報告書

ショウジョウバエHh/Ci伝達系に関与する遺伝子の単離と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 14034266
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

秋丸 裕司  独立行政法人理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 先任研究員 (70241247)

キーワードショウジョウバエ / Hedgehoge / ユビキチン / lysosome / MVB / 成虫原基 / endosome / 免疫電顕
研究概要

ショウジョウバエ翅成虫原基の前後区画の形成に必須なヘッジホッグシグナル伝達系で働く転写因子Ciに結合する因子Dbr(determiner of breaking down of Ciactivator)をyeast two hybrid法により単離した。Ci蛋白質の転写活性に対してDbrがどのような作用を持っているかを明らかにするためdbr locusの突然変異体を単離した。その遺伝学的解析より、CiはDbrにより蛋白質分解を受け、転写活性が抑制されていることが示唆された。蛋白質分解時に生じるユビキチン化がDbrにより生じるかを生化学的に調べた結果、DbrはCiを効率良くユポリビキチン化することが分かった。さらに、DbrによるCiの蛋白質分解はproteasome阻害剤では阻害されなかったが、lysosomal protease阻害剤で強く抑制された。DbrとCiの細胞内局在を免疫電顕法により調べた結果、両者はlysosome分解に中心的な役割を持つendosome系オルガネラMVB(multi-vesicular body)の限界膜上に存在した。Ciはまた、MVBの限界膜が陥入して形成される内部小胞にも観察された。すなわち、DbrによるCiの蛋白質分解はubiquitin-proteasome系ではなく、MVB/endosome系を介したlysosomeにより分解され、Dbrによるユポリビキチ'ン化はMVBの内部小胞にCiを選別輸送するための分別標識として作用していることが結論付けられた。翅成虫原基の前後区画の境界から8〜9細胞ほど離れた領域でCi蛋白質量は急激に減少することが境界領域の形成には必須であるが、これとは相対的に、Dbr蛋白質量は高レベルであることから、DbrによるCiのユビキチン化とlysosome分解はCiの機能領域を厳密に制御するために不可欠な作用機序であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Dai, P.et al.: "A Hedgehog-responsive region in the Drosophila wing disc is defined debra-mediated ubiquitination and lysosomal degradation of Ci."Developmental Cell. 4. 917-928 (2003)

  • [文献書誌] Nomura, T.et al.: "Oncogenic activation of c-Myb correlated with a loss of negative regulation by TIF1β and Ski."J Biol.Chem.. (in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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