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2003 年度 実績報告書

リン酸化によるスプライシングとmRNA輸送の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 14035102
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

萩原 正敏  東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (10208423)

研究分担者 谷 時雄  熊本大学, 理学部, 教授 (80197516)
キーワードSRPK / Clk / mRNAプロセシング / 特異的阻害剤
研究概要

転写反応は転写調節因子のSer/Thr/Tyrのリン酸化によって制御されていることが、判明しつつあるが、RNA processingの段階においても、リン酸化反応がRNA結合蛋白群の様々な活性を調節していると予想される。我々は最近、SF2/ASFなどSR蛋白と呼ばれるRNA結合蛋白のSer基をリン酸化する。酵素群に注目し、それらの機能とシグナル制御機構を追求している。SF2/ASFをリン酸化する酵素活性を調べてみると、CDC2、SRPK1&2、CLK1-4、PRP4などがリン酸化する。これらの酵素のkinase domainのアミノ酸配列を比較すると互いに類似性が高く、CGMCファミリー(CDK, GSk-3,MAPK, CLKの頭文字をとってこうよばれている)に属することが判明した。CDK, GSk-3,MAPKなどが細胞内の調節機構として重要な意義を有することが明らかとなりつつあるのと対照的に、CLKやSRPKの機能は全く不明である。我々は、これらのリン酸化酵素がRNA processingの調節に中心的役割を果たすと考え、生化学的解析、遺伝子破壊実験や特異的阻害剤探索などによりその機能の一端を解明しつつある。特に、CLKに関しては、特異的な合成阻害剤TG003が見つかった。この特異的阻害剤を用いることにより、Clk自身やアデノウイルスElA遺伝子の選択的スプライシングパターンを変えることができる。アフリカツメガエル初期胚にClkを過剰発現させると、重度の形態異常、発生遅延が観察されたが、TG003存在下ではその発生異常が抑制され正常化した。このことはClk依存的な選択的スプライシングの抑制が、正常発生過程にとって必須であることを示唆している。今後、発生過程で選択的スプライシングに関わるシグナル制御機構を解明してゆく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takano, M, Koyama, Y, Ito, H, Hoshino, S, Onogi, H, Hagiwara, M, Furukawa, K, Horigome, T.: "Regulation of binding of lamin B receptor to chromatin by SR protein kinase and cdc2 kinase in Xenopus egg extracts."J.Biol.Chem.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Inoue, K., Zama, T., Kamimoto, T., Aoki, R., Ikeda, Y., Kimura, H., Hagiwara, M.: "TNFα-induced ATF3 Expression Is Bidirectionally Regulated by the INK and ERK Pathways in Vascular Endothelial Cells."Gene to Cells. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Umehara, H., Nishii, Y., Morishima, M., Kakehi, Y., Kioka, N., Amachi, T., Koizumi, J., Hagiwara, M., Ueda, K: "Effect of cisplatin treatment on speckled distribution of a serine/arginine-rich nuclear protein CROP/Luc7A"Biochem.Biophys.Res.Comm.. 301. 324-329 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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