研究課題
特定領域研究
伊藤担当分:これまでに明らかにしたX線結晶構造に基づき、真核生物ペプチド鎖解離因子eRF3のN末端領域が様々な相互作用因子群との相互作用を介し機能性を制御するというモデルを提案し検証を進めた。結合因子とeRF3の機能性の相関を評価する新規な活性想定系を構築し検証を行った。その結果、eRF3に結合する因子群のうち、 N末端部位に結合する二つのタンパク質、リングフィンガー様蛋白質Ittlp、および、細胞骨格結合蛋白質Slalpに関してeRF3の機能性・蛋白質安定性に、それぞれが正負に寄与する因子である事を実証することに成功した。本成果は、様々な細胞内mRNAの動態を制御する翻訳終結機能が、細胞内でのタンパク質分解系と共役していることを報告した最初の知見である。濡木担当分:核酸に刻まれた遺伝情報は、極めて特異性の高い酵素化学反応の集積により正確にアミノ酸配列に変換され、機能を持つタンパク質として発現する。遺伝暗号の翻訳に働く酵素群は、タンパク質、RNAのダイナミックな構造変化を伴いながら、高精度・高特異的な化学反応を触媒し、タンパク質を合成する。本研究では、まず遺伝暗号翻訳のアダプター分子として働くトランスファーRNA(tRNA)のプロセシングおよび転写後化学修飾の過程に注目し、それぞれの過程で働くCCA付加酵素(RNAポリメラーゼ)およびMnmAチオ化ウリジン合成酵素とtRNA(前駆体)との複合体について、各反応ステップの複数の結晶構造(スナップショット)を決定することで、高精度・高特異的な化学反応を触媒する動的なメカニズムをムービーとして原子分解能で明らかにした(Nature 2006, Nature 2006)。さらに、真核細胞やその祖先となる古細菌の翻訳系酵素は、複数のタンパク質が(超分子)複合体を形成し、統合された化学反応(チャネリング反応)を触媒すると考えられる。本研究では、第2に、tRNAの化学修飾に働くチャネリング複合体(TusE・tRNA・MnmA、TYW1-4、box C/D snoRNP)、アミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)超分子複合体(MARS)の再構成と予備的な結晶化に成功し、構造研究を推進している。また、古細菌において3つの連続した化学反応を触媒してGln-tRNAGlnを合成するGatDEアミド基転移酵素とtRNAGlnとの複合体のX線結晶構造解析を行い、統合された連鎖反応の触媒機構、さらにアンモニア分子を輸送する分子トンネルを明らかにした(Science 200
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