本特定研究の補助を受け、平成14年度シロイヌナズナについて以下のノックアウトラインをスクリーニングした。ラインが確保されたものはsde1 (At3g49500)、atrdrp1 (At1g14790)などRNA dependent RNA polymeraseとおもわれる遺伝子、Argonaute familyのago1 (argonaute ; At1g48410)、ago2 (At1g31280)、ago5 (At2g27880)、ago7 (At1g69440)、zll/pnh (At5g43810)、それにDicer familyのdcl1 (At1g01040)を選抜し終えた。いずれもRNAの機能発現制御への関連が推定されるものである。現在ウイルス感染に伴う植物の生理状態などを解析している。 細胞内での複製能力、移行能力を保持した人工ウイルスベクターを作製することに成功した。ナス科植物に感染できるTocJベクターの有用性を確認しつつある。その機能が植物の生存に必須な遺伝子についても、このベクターによる機能破壊によって遺伝子機能を知ることができるようになった。このベクターも利用して、内在する遺伝子の発現をVIGS (virus-Induced gene silencing)によって制御をかけることに成功したのでRNAをめぐる因子の機能解析を行えるようになった。 ウイルスRNAが移行するためのタンパク質の変異と、機能との関連についても解析を加え、リン酸化のあるなしによる機能の変化などについて解析を加えた。
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