研究課題
最近の天然RNAの立体構造解析から、新しいRNAの構造を決定するRNA分子内相互作用が見出された。これらは、ループとレセプターの組み合わせによりRNA基本構造単位(らせん構造を連結するRNA-RNA接続ユニットである。したがって、原理的には、RNA基本構造単位(らせん構造)とこれら接続ユニットを組み合わせることにより、望みの立体構造をもつRNA分子をデザイン・構築できるはずである。我々は、実際に、これら接続ユニットを用いて人工のRNAをコンピューターによりデザインし、そのデザイン通りにRNAを作成することに成功した。そこで、小スケールのコンビナトリアムライブラリーを同RNAに組み込み、このライブラリーからのセレクションにより活性中心をインストールし、完全に人工的な新規リボザイム(リガーゼ)を創成することに成功した。また、構造既知の天然のRNAであるP4-P6 RNAを骨格として、同じく新規リボザイムを創成することが出来た。これらの研究をProc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.とRNA誌に発表した。さらに生化学的解析を行い、これらは骨格となる立体構造を利用していること、これまでに得られた他のリボザイムと同様の生化学的性質を持つことを明かにした。構造化学的解析から、二つのリボザイムの活性中心を含むモジュラーユニットは全く異なる構造と成分を持つことが明らかになった。したがって、上記のように2例の異なるリボザイムを作成できることを証明したので、、我々が開発したリボザイム創成のための新しい手法は、一般的にさまざまなリボザイムの創成に応用可能であることが証明できた。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
RNA 10
ページ: 1900-1906
Proc.Nad.Acad.Sci.USA 101
ページ: 13750-13755
実験医学(増刊) 22
ページ: 2401-2407
Nucleic Acids res.Symp.Ser. 48
ページ: 209-210
J.Biol.Chem. 279
ページ: 540-546