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2005 年度 実績報告書

RNA核外輸送の多様性と制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 14035225
研究機関京都大学

研究代表者

大野 睦人  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80201979)

キーワード遺伝子 / 核酸 / 発現制御 / 蛋白質
研究概要

本研究では、「RNA情報発現系の時空間ネットワーク」の基盤となるRNAの核から細胞質への動きを、核外輸送因子群による「RNAの身分証明」過程という概念で捉え、その様々な制御機構を明らかにすることを目指している。「イントロンの存在」と「比較的2次構造の取りにくい300塩基長以上のRNA領域の存在」の2つの特徴が、mRNAのIDエレメントとして機能する事を、平成16年度までに明らかにしてきた。
平成17年度は、これら以外のmRNAのIDエレメントを同定する事を目指した。その一環として、スプライシング活性の弱いイントロンのスプライシングを増強する、エキソン内のプリン配列に富む配列である、エキソン内スプライシングエンハンサー配列(Purine-rich Exonic Splicing Enhancer以下ESE)が、mRNAのIDとして機能するのではないかと着想し、アフリカツメガエル卵母細胞へのRNAの微量注入系を用いて実験を行った。その結果、当初の予想に反して、ESEはmRNAを始め様々なRNAの核外輸送を遅延させるエレメント(RNA核内繋留エレメント)として機能する事が分かった。興味深い事に、ESEはスプライシングを経て生成されたmRNAの核外輸送は阻害しなかった。つまり、ESEは、イントロンを持ったmRNAをスプライシングが完了するまで核内に繋留する活性を持つ事が示唆された。さらに、様々なESE配列を用いた競合実験により、共通の核内繋留因子が存在する事が強く示唆された。そこで、アフリカツメガエル卵母細胞核中でESEに特異的に結合している因子の探索を行ったところ、17S U2snRNPが同定された。これが、RNAを核内に繋留する因子の候補と考え、現在さらに詳細な解析を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Binding of a novel SMG-1-Upf1-eRF1-eRF3 complex (SURF) to the exon junction complex triggers Upf1 phosphorylation and nonsense-mediated mRNA decay2006

    • 著者名/発表者名
      Kashima, I
    • 雑誌名

      Genes & Development 20

      ページ: 355-367

  • [雑誌論文] Shigella effector IpaH9.8 binds to a splicing factor U2AF(35) to modulate host immune responses.2005

    • 著者名/発表者名
      Okuda, J
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 333

      ページ: 531-539

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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