研究課題/領域番号 |
14035237
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井上 邦夫 神戸大学, 理学部, 助教授 (40252415)
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研究分担者 |
平岡 泰 情報通信研究機構, 関西先端研究センター・生物情報グループ, グループリーダー(研究職) (10359078)
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キーワード | RNA情報発現 / mRNA局在化 / ゼブラフィッシュ / 生殖細胞 / 発生分化 / RNA結合蛋白質 / mRNP |
研究概要 |
mRNA局在化は、細胞内での情報に偏りを生じる重要な制御系である。本研究では『RNAの動くメカニズム』と『動くRNAを介したRNA情報発現ネットワーク』の解明を目指しており、今年度、下記のような成果を挙げた。 1)ゼブラフィッシュ4細胞期に卵割面両端に局在する母性mRNPは生殖細胞形成に必須である。mRNP(mRNA-蛋白質複合体)に含まれる蛋白質因子は明らかになっていなかったが、今年度、BRUL蛋白質が含まれることを見出した。BRULはショウジョウバエ翻訳抑制因子BRUと高い相同性を有しており、局在化mRNAの翻訳制御因子として働く可能性がある。 2)ゼブラフィッシュにおいて、Tol IIトランスポゾンによるトランスジェニック技術(国立遺伝学研究所・川上博士との共同研究)を用い、dazl母性mRNA局在化を再現する実験系を構築した。この系を用い、植物極および卵割面両端へのmRNA局在化シス配列の同定を進めている。 3)ゼブラフィッシュ始原生殖細胞中で、核近傍のmRNP顆粒にnanos mRNAが含まれること、mRNP顆粒構造がダイナミックな動態変化を示すことを明らかにした。 4)細胞核内での蛍光タンパク質の移動速度を生きたままの細胞で計測する技術およびタンパク質問の相互作用を蛍光画像化する技術を確立した。この方法を用いて、細胞核膜タンパク質のダイナミックな相互作用を画像化することに成功した。
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