研究課題/領域番号 |
14035243
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
塩見 春彦 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60202107)
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研究分担者 |
塩見 美喜子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (20322745)
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
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キーワード | RNA結合タンパク質 / FMR1 / Musashi / AGO2 / RNAi / siRNA / 脆弱X症候群 / 翻訳抑制 |
研究概要 |
既に脆弱X蛋白質のショウジョウバエ相同体dFMR1タンパク質がRNAi分子経路と相互作用することを明らかにし、「RNAi分子装置の異常による疾患」という新しい領域を開き、また、dFMR1複合体(dFMR1-RNP)の精製を進め、この複合体にはRNAi関連因子AGO2とDmp68のみならず、性行動関連因子Lingererが含まれていることを明らかにしてきた。この複合体には約20塩基長の小分子RNAが含まれていることが判明し、それらの単離とクローニング/シーケンスによる同定を行った。その結果、これら小分子RNAは各種トランスポゾン領域に由来する内在性siRNAであった。dFMR1がRNAi関連因子AGO2と相互作用することと、その複合体にトランスポゾン由来の内在性siRNAが含まれることを考え合わせると、これらの結果は、脆弱X症候群発症にトランスポゾンの転移(転移抑制の解除)が関与する可能性を示唆するものである。一方、Lingererにはヒト相同体(AD-010とNICE-4)が存在し、これらがヒトFMR1と相互作用することを確認した。現在、AD-010とNICE-4のノックアウトマウスの作製を行っている。 一方、RNA結合蛋白質Musashi1による翻訳抑制は、ショ糖密度勾配超遠心を伴う分画実験により、リボソームの60Sサブユニットのリクルート、すなわち80Sリボソーム形成が阻害されることに起因することが明らかとなった。その際に、40Sリボソームサブユニットの翻訳複合体への参加、すなわちpre-initiation complex形成は正常に形成された。この80Sリボソーム形成阻害は、Poly(A) binding protein(PABP)への結合部位を失ったMusashi1によっては起こらないことから、PABP-Musashi1の相互作用がeIF4Gを介した80Sリボソーム形成を阻害していることが明らかとなった。また、Musashi1複合体の他のメンバーの同定を進めたところ、RNA結合タンパク質のHu, RISC(RNA induced silencing complex)中に存在するArgonaut2が同定された。
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