TONSOKUタンパク質の細胞内局在の解析 タバコ培養細胞BY-2内でのTSK:GFP融合タンパク質は、その局在が細胞周期依存的に変化することが明らかになった。融合タンパク質は中間期には核構造内に存在するが、細胞分裂期には染色体に先んじて娘細胞に移行し、複数のスポット状構造を形成することが判明した。TSKタンパク質のN末端近傍にあるLGNリピートがこのような特異的なタンパク質の細胞内局在性に関与していると予想される。 茎頂と根端両メリステムの構造に影響をおよぼすSS93株の解析 野生株より根が短くかつ地上部が帯化するSS93株の原因遺伝子は、DNAヘリカーゼとDNAポリメラーゼのモチーフを一つのポリペプチドに持つタンパク質をコードすることから、DNA修復に関わると予測される。この変異株は、マイトマイシンC等のDNA鎖間架橋剤に対して高感受性を示すほか、恒常的にDNA鎖切断修復およびG2/M期チェックポイント機構に働く遺伝子群の発現量が上昇している。またサイクリンボックスを持つサイクリンB1::GUSをこの変異株に導入したところ、G2/M期にある細胞め数が、野生型株より多くなっていたことから、この変異株の根端分裂組織内では細胞分裂周期が変化していることが明らかになった。同じレポーター遺伝子の過剰発現は茎頂でも見られることから、この現象は茎頂および根端分裂組織の構造異常に関連すると推察される。また、変異株では野生型株に比べて、葉における核の倍数性が上がっていることも、変異と細胞分裂周期との関連を示している。
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