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2003 年度 実績報告書

シュート軸の形成と領域化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14036206
研究機関東京大学

研究代表者

長戸 康郎  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10143413)

研究分担者 松岡 信  名古屋大学, 生物機能開発利用センター, 教授 (00270992)
キーワードイネ / 胚発生 / 領域化 / 茎頂分裂組織 / 突然変異 / パターン形成
研究概要

胚器官が重複して分化する変異体として、are1〜are3を同定しているが、そのうちare3を調べた。are3の約半数の胚でシュート/幼根が増加する。増加のパターンは、さまざまで、隣り合って増加するものや離れて増加するものなどあったが、腹側領域の拡大とまれに起こる頂部-基部軸の重複によると解釈されるような表現型であった。OSH1の発現も腹側領域の拡大を支持するものであった。また、胚の左右相称性も異常になっていた。
別の遺伝子座の変異体と思われるodm400も同定した。odm400の表現型も多様で、シュートと幼根がセットになって鏡像対称で増加するもの、シュートあるいは幼根が並列して増加するもの、増加はしないが分化位置が異常となるもの、など規則性が見られなかった。しかし、OSH1の発現領域は基部、背側に拡大しており、胚におけるシュート、幼根分化領域が拡大し、その程度によってさまざまな器官増加パターンが見られると考えられる。
葉の左右性の劣性変異体として、leaf lateral symmetry 1(lsy1)を同定した。lsy1は、主に2種類の葉を分化した。1つは幅の狭い葉で、左右どちらかの半分の欠失によるものである。もう1つは、やや広い葉で、葉の先端が2つに分岐するとともに、中央の中肋とは別に、もう1つの中肋が、片側半分に形成されていた。このタイプの葉原基では、もともとの中肋部の突起とは別に、片方の側部の中央にも将来中肋になると思われる突起が見られ、片側の葉片が1つの葉としてのアイデンティティーを獲得した結果と考えられる。従って、LSY1遺伝子は葉の左右の発生を同調させる機構に関与していると考えられる。lsy1変異体のSAMを観察したところ、野生型に比べて、大きいものや細長いものなど、SAMの形態も多様であった。このことが、葉の多様な左右非相称性に関与していると思われる

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yamaguchi, T.: "The YABBY gene DROOPING LEAF regulates carpel specification and midrib development in rice"Plant Cell. 16. 500-509 (2004)

  • [文献書誌] Obara, M.: "Characterization of leaf lateral symmetry 1 mutant"Breeding Science. 54(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Ikeda, K.: "Developmental course of inflorescence and spikelet in rice"Breeding Science. 54(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Miyoshi, K.: "PLASTOCHRON 1, a time keeper of leaf initiation in rice, encodes cytochrome P450"Proc.Nat.Acad.of Sci.USA. 101. 875-880 (2004)

  • [文献書誌] Komatsu, M.: "FRIZZY PANICLE is required to prevent the formation of axillary meristems and to establish floral meristem identity in rice spikelets"Development. 130. 3841-3850 (2003)

  • [文献書誌] Satoh, N.: "The SHOOTLESS2 and SHOOTLESS1 genes are involved in both the initiation and maintenance of the shoot apical meristem through regulating the number of indeterminate cells"Genetics. 164. 335-346 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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