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2002 年度 実績報告書

植物細胞増殖因子の作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 14036214
研究機関名古屋大学

研究代表者

坂神 洋次  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80107408)

研究分担者 松林 嘉克  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00313974)
キーワードペプチド / 細胞増殖因子 / ファイトスルフォカイン / 受容体 / セリン-スレオニンキナーゼ / ロイシンリッチリピート
研究概要

ニンジン培養細胞から調製したミクロゾーム分画を可溶化し、アフィニティークロマトグラフィーとSDS電気泳動を主たる方法として、ペプチド性植物細胞増殖因子ファイトスルフォカインの受容体を単離することに成功した。得られた糖蛋白質をトリプシンで消化し、HPLCでペプチドフラグメントを精製して、それらの部分アミノ酸配列に基づいて受容体前駆体遺伝子をクローニングすることに成功した。この遺伝子PSKRは、1021アミノ酸をコードしており、24アミノ酸からなるシグナルペプチドを含む。コードされている受容体は、1回膜貫通型のセリン-スレオニンキナーゼ型で、細胞外ドメインとして、ロイシンリッチリピート21個を有しており、その17番目と18番目の間に36アミノ酸からなるアイランドドメインが存在する。この構造は、シロイヌナズナから得られたステロイド性植物ホルモンであるブラシノライドの受容体BRI1と相同性が高いことが判明した。このことからアイランドドメインがファイトスルフォカインの認識に重要な役割を果たすことを予想している。この受容体遺伝子PSKRはニンジンにおいて、1コピーしか存在しない。ニンジンカルスにアンチセンスを導入すると増殖が著しく阻害され、PSKRを過剰発現させると細胞増殖が促進され、しかも分化能を失った。このことからファイトスルフォカインは植物の脱分化状態を維持する機能に深く関与していると考えられる。来年度以降は、植物個体におけるファイトスルフォカインの生理作用解明を主たるテーマとして研究を継続してゆく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Mtsubayashi, M.Ogawa, A.Morita, Y.Sakagami: "An LRR receptor kinase involved in the perception of a peptide plant hormone, phytosulfokine"Science. 296. 1470-1472 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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