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2004 年度 実績報告書

植物細胞増殖因子の作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 14036214
研究機関名古屋大学

研究代表者

坂神 洋次  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80107408)

研究分担者 松林 嘉克  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00313974)
キーワード植物細胞増殖因子 / PSK / 受容体 / チロシン硫酸化酵素
研究概要

(1)PSKのin plantaにおける機能解析を進めるため,アラビドプシスにおけるPSK受容体(AtPSKR1)の遺伝子破壊株(pskrl-1)の解析を行なった.アラビドプシスPSK受容体遺伝子は複数存在する可能性があるが,pskrl-1の膜画分における[3H]PSK結合活性は検出限界以下であることから,AtPSKR1が主要なPSK受容体であると考えられる.pskrl-1のホモ体は正常に発芽し,若い植物体の形態は野性株と区別がつかないが,組織の老化が早い傾向が観察された.すなわち,(a)子葉・本葉ともにearly senescenceを示す,(b)無傷植物においてもエチレン処理により著しいsenescenceが誘導される,(c)葉片を暗処理すると著しいsenescenceが誘導され,サイトカイニン処理でも抑制されない,(d)エチレン処理および暗処理によりsenescenceマーカーであるSAG12が早期発現する,などの形質が観察された.これらのことから,PSKはpost-mitoticなagingを抑制することで細胞のポテンシャルを高め,多面的な生理効果を示しているものと考えられる(投稿準備中).
(2)培養系における植物細胞は低密度では増殖しにくいため,植物細胞で形質転換を行なう際には,実際に遺伝子導入されたごく少数の細胞を確実に増殖させる段階が形質転換効率に大きく影響する.そのため保護培養(nurse culture),すなわち活発に増殖を続ける細胞の近傍で培養することで疑似的に密度を高める手法がしばしば用いられてきた.PSKを培地に添加すると低密度における植物細胞の増殖が顕著に促進されることから,形質転換の際にごく少数しか存在しない遺伝子導入細胞の分裂増殖を促進し,形質転換効率が向上することが期待される.我々は,ニンジン胚軸のアグロバクテリウムによる形質転換系をモデルとして検討を行ない,形質転換時の選択培地にPSKを添加すると,ごく少数しか存在しない遺伝子導入細胞の増殖が促進され,形質転換効率が著しく向上することを実証した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Chemical nursing : phytosulfokine improves genetic transformation efficiency by promoting the proliferation of surviving cells on selective media.2004

    • 著者名/発表者名
      Matsubayashi Y
    • 雑誌名

      Plant Cell Rep. 23

      ページ: 155-158

  • [雑誌論文] Plant peptide hormone phytosulfokine (PSK-alpha) : synthesis of new analogues and their biological evaluation.2004

    • 著者名/発表者名
      Bahyrycz A
    • 雑誌名

      J Pept Sci. 10

      ページ: 462-466

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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