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2002 年度 実績報告書

サイトカイニンによる高等植物の生長・分化の制御

研究課題

研究課題/領域番号 14036215
研究機関名古屋大学

研究代表者

上口 智治  名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助教授 (20232738)

キーワードサイトカイニン / 植物ホルモン / センサーキナーゼ / シグナル伝達 / 分化・生長 / 転写因子 / 細胞分裂
研究概要

1.サイトカイニン受容体遺伝子群の機能解析
AHK2,3遺伝子のノックアウト変異体の検索を行い、両遺伝子についてそれぞれ2ラインずつの挿入変異体を同定できた。いずれの変異についても変異ホモ接合体を確立することができ、通常の生育条件においては何ら特異的な表現型を示すことがない。しかしahk3変異体から調整したカルスはサイトカイニンに対する応答性が低下しており、AHK3がAHK4同様にサイトカイニンレセプターであることが証明できた。さらにこれらahk変異の二重欠損変異体を作製した。ahk2/ahk4ならびにahk3/ahk4の二重変異株は正常な植物体を形成するが、ahk2/ahk3の二重変異株は短い胚軸を持った芽生え、本葉の縮小に伴う小さなロゼット、短い花茎、等の多面的な表現型を示した。胚軸表皮細胞の数は胚発生段階で厳密に決められているが、ahk2/3二重変異株ではこの数が10%減少していた。これらの結果は、1)AHK2がAHK3と同じ細胞機能、すなわちサイトカイニンレセプターとしての機能を保持すること、2)AHK2,3、ひいてはサイトカイニンが細胞分裂活性を正に制御していること、を示している。
2.TCP遺伝子群の機能解析
TCP10遺伝子のT-DNA挿入変異体は植物体のシュート部位において顕著な矮性を示すことを見出した。TCP10遺伝子の過剰生産体はそれとは逆に葉柄や胚軸が伸長する。細胞生物学的解析から、tcp10変異では細胞伸長には問題がないものの、細胞分裂活性が顕著に低下していることが判明した。またTCP10遺伝子の発現をin situ hybridization法によって調べたところ、胚発生後期の胚全体、茎頂分裂組織、花芽分裂組織等の細胞分裂が盛んな部位で発現していることがわかった。これらの結果はTCP10遺伝子産物が細胞分裂の正の制御因子として機能していることを示唆する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takeda T., Suwa Y., Suzuki M., Kitano H., Ueguchi-Tanaka M., Ashikari M., Matsuoka M., Ueguchi C.: "The OsTB1 gene negatively regulates lateral branching in rice"The Plant Journal. 33. 513-520 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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