研究課題
本年度は以下の研究を行った。1.光中断効果のメカニズムの解明ファイトクロムA・B・Cの欠損変異体を使って解析を行い、光中断によるHd3aの抑制効果はファイトクロムBを介していることをさらに明らかにした。2.イネFT様遺伝子群(FT-Ls)の発現解析とRNAiによる機能欠損変異体の解析イネゲノム中に存在するHd3a様の遺伝子(FT-Ls)のうち、Hd3a(FT-L2)を含む3つのFT-L(FT-L1〜3をRNAi法によって特異的、あるいは包括的に発現抑制した形質転換個体を作出した。T1世代における解析を行い、Hd3a遺伝子が主要な開花促進因子であること、FT-L1とFT-L3はHd3aの存在下で協調して開花に寄与している可能性を見いだした。3.イネコアコレクションを用いた開花制御因子の解析栽培イネ品種の遺伝的多様性の90%以上をカバーした64品種(農水省生物研)のHd3aの遺伝子発現と光中断による発現抑制を調査した。その結果、Hd3aは殆どの品種で発現しており、光中断によるHd3aの発現抑制効果が認められた。このことから、Hd3a遺伝子が栽培イネの開花制御に主要な因子であり、光中断のメカニズムの品種を問わず保持されている機構であると考えられた。4.TAPタグによるOsGI複合体の単離OsGI : TAPを発現する培養細胞から、TAPタグを利用して複合体を精製し、質量分析によってタンパク質を同定した。5.OsGI、Hd1のプロモーターGUS解析OsGIあるいはHd1のプロモーターにGUSを融合した発現ベクターを導入した形質転換体のT_1世代のGUS解析を行った。その結果、Hd1は弱いながら維管束周辺部で発現している事が明らかになった。
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Plant Cell 17
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