研究課題
まず、葉の横への極性伸長制御因子・ANの細胞内局在を精密に再解析した結果、ER/ゴルジを中心とすることが判明した。そこでCtBPファミリーとの間で、分子機能が保存されているかどうかを調べるため、二歩博士との共同研究により、キイロショウジョウバエのAN安定形質転換体を作成し解析した結果、ANはdCtBPの機能の一部のみを代替することが判明した。さらに高野博士との共同研究により、裸子植物のカラマツからホモログを単離し、解析を行なった結果、カラマツのホモログは、シロイヌナズナan-1の表現型を完全に回復させることが確認された。一方、葉の細胞観察の新方法を2種、開発し(Horiguchi et al.2006)これを用いて、葉の細胞数と細胞サイズを指標とした、シロイヌナズナ変異体の大規模スクリーニングを行ない、多くの葉変異体を新たに取得した(Horiguchi et al.2006)。そのうち、葉の細胞サイズに特異的な欠損を示すxs変異体群の解析から、葉の細胞伸長経路は少なくとも独立の2経路からなることが判明した(Fujikura et al.2007)。また補償作用を示す新たな変異体の解析からは、葉原基における細胞伸長と細胞分裂の間の共役を明らかにした(Ferjani et al.,in press)。一方、横幅方向への細胞増殖を正に制御するAN3の下流遺伝子の候補を探索した結果、AN3による葉原基における細胞増殖制御系は、興味深いことに、葉の極性決定機構との問に遺伝的連関を持つことが判明した。さらに葉の縦への細胞分裂の負の制御因子群・RTFLファミリーに関しては、イネよりホモログを単離し、植物で構成的に発現させてみたところ、ROT4同様、シロイヌナズナ、イネ共に葉を短くすることを確認した(Yamaguchi and Tsukaya 2006)。また35Sp::ROT4::GFPを導入した系統を親株とした変異原処理をおこない、エンハンサー系統を十数系統単離した。さらにROT4のC端・N端それぞれから部分的に削ったコンストラクトを作成し、解析した結果、ROT4は、RTFLドメインに含まれる小さなペプチド断片として機能する可能性を示唆する結果を得た。
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