(1)分子シャペロン及びATP依存性プロテアーゼの遺伝子分布とその系譜を解明するために、真核生物を含めて、DNA全ゲノム情報既知の生物数10種類から上記の遺伝子を選別した。更に、データバンク及び発表論文を探索し合計約500個の遺伝子のドメイン構成及び遺伝子系譜を解明した。 (2)上記の情報をもとに、従来のタンパク質の分子量をもとにしたストレスタンパク質の分類方法に対してそれぞれのタンパク質のドメイン組成に基づく新たな分類方法を提案した。 (3)上記(1)、(2)をインターネット上に公開(http://www.geocities.com/kiryuchaperones domainsdatabase/)及び学会発表(2002年日本分子生物学会年会)すると共に、論文作成中である。 (4)ストレスタンパク質の中で難病の原因や真核生物形成過程において重要な遺伝子である活性酸素処理(スーパーオキシドジスムターゼ、SOD、及びカタラーゼ遺伝子)遺伝子に焦点を当て、これらの遺伝子の系統樹を上記(1)の生物に於いて作成し、進化的な背景を解析した(論文作成中)。 (5)カタラーゼ遺伝子を好塩性バクテリアからクローニングし、カタラーゼタンパク質の大腸菌による大量生産により、その性質を解析した。更に工業的応用を考えて、遺伝子工学的にC末端に100アミノ酸を連結した。この遺伝子は大腸菌中ではインクルージョンボディを形成したが古細菌由来のシャペロンタンパク質と共発現することにより可溶性高活性カタラーゼの生産に成功した(論文作成中)。 (6)更に、最も原始的な真核生物ジアルジアからのSOD遺伝子のクローニングを行った。
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