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2002 年度 実績報告書

大腸菌細胞表層におけるリポタンパク質の選択的膜局在化と品質管理の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 14037212
研究機関東京大学

研究代表者

松山 伸一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (50183108)

研究分担者 徳田 元  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (40125943)
キーワード大腸菌 / 細胞表層 / リポタンパク質 / タンパク質局在化 / 品質管理
研究概要

リポタンパク質の選択的膜局在化機構に関する研究において、下記の成果が得られた。
(1)選別シグナルの認識機構
選別シグナルの構造的解析から、主鎖から一定の距離にある+2位の負荷電が内膜局在化シグナルとして働くことを示した。また、LolCDE複合体による選別シグナルの認識にはホスファチジルエタノールアミンが重要な役割を果たしていることを見いだした。さらに、N-アシル化はLolシステム依存のリポタンパク質局在化に必須であることを明らかにした。
(2)ATPの役割
ABCトランスポーターLolCDEによるATPの加水分解は選別シグナルに依存していることを示した。ATPaseサブユニットLolDのホモログ間でのみ保存された共通配列「LoIDモチーフ」は膜サブユニットLolCEからLolDへ伝達されるATP加水分解のシグナルを受け取る領域であることが示唆された。
(3)LolAとLolBの立体構造の決定
X線結晶構造解析により、ペリプラズムシャペロンLolAと外膜受容体LolBの立体構造をそれぞれ1.9Åと2.2Åの解像度で決定した。また、LolC、LolEの膜内配向性も決定した。
(4)リポタンパク質の受け渡しと外膜への組み込み機構
lolA変異株の解析から、リポタンパク質のLolCDEからの受け取りとLolBへの受け渡しに異常をきたした変異株を取得し、因子間相互作用の解析の道を開いた。
リポタンパク質の品質管理に関する研究においては、Pal、OsmBをはじめとする複数のリポタンパク質でもDegPの合成誘導が引き起こされることを明らかにし、NlpEがDegPの合成誘導を引き起こす唯一のリポタンパク質とする過去の知見を修正した。今後、この結果を細胞表層ストレスによるタンパク質の品質管理機構の解明につなげたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 松山伸一: "水に溶けないものが水路を渡る:細菌リポタンパク質の運び屋たち -大腸菌リポタンパク質の選択的膜局在化機構-"実験医学. (印刷中).

  • [文献書誌] Fukuda, A.: "Amino-acylation of the N-terminal cysteine is essential for Lol-dependent release of lipoproteins from membranes but does not depend on lipoprotein sorting signals"J. Biol. Chem.. 277. 43512-43518 (2002)

  • [文献書誌] Narita, S.: "Disruption of lolCDE, encoding an ATP-binding cassette transporter is lethal for Escherichia coli and prevents the release of lipoproteins from the inner membrane"J. Bacteriol.. 184. 1417-1422 (2002)

  • [文献書誌] Masuda, K.: "Elucidation of the function of lipoprotein-sorting signals that determine membrane localization"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 99. 7390-7395 (2002)

  • [文献書誌] Miyamoto, A.: "Dominant negative mutant of a lipoprotein-specific molecular chaperone, LolA, tightly associates with LolCDE"FEBS Lett.. 528. 193-196 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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