• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

タンパク質トランスロケータシステムの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 14037225
研究機関名古屋大学

研究代表者

遠藤 斗志也  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70152014)

研究分担者 西川 周一  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10252222)
吉久 徹  名古屋大学, 物質理学国際研究センター, 助教授 (60212312)
キーワードミトコンドリア / 酵母 / トランスロケータ / 膜透過
研究概要

ミトコンドリアは二つの膜(外膜と内膜)で囲まれているので,ミトコンドリア内にタンパク質が移行する際,何らかの仕組みにより,外膜透過と内膜透過がうまく協調して行われる必要がある。今回われわれは,ミトコンドリア内膜のトランスロケータを構成する新因子としてTim50を発見し,その機能解析を行った。出芽酵母において,Tim50の発現をshut offしてTim50量を減少させると,細胞内にミトコンドリアタンパク質の前駆体が蓄積すること,Tim50量が減少したミトコンドリアを単離してin vitroでのインポート実験を行うと,TIM23複合体を利用するプレ配列を持った前駆体のインポート効率は著しく低下したが,TIM22複合体を利用するプレ配列を持たない内膜タンパク質のインポート効率は変化しなかった。Tim50の1/3はTIM23複合体に含まれること,Tim50はTim23の膜間部領域と直接相互作用することを見出した。またTim50の量を減少させたり増加させたりすると,Tim23の外膜への挿入が影響を受けることが明らかになった。内膜の膜電位を消失させて,TOM複合体レベルで膜透過が停止した中間体を形成し,架橋実験を行ったところ,Tim50との架橋が検出された。以上の結果は,Tim50はTIM23複合体の新規サブユニットで,前駆体タンパク質の内膜透過に必須であること,特にTim23とともに外膜から内膜への前駆タンパク質の効率良い移動に関わっていることを示している。言い換えれば,長い間謎であった,ミトコンドリアの外膜と内膜の膜透過プロセスの共役を担う因子がTim50である可能性が高いことを示している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] H.Yamamoto et al.: "Tim50 is a subunit of the TIM23 complex that links protein ranslocation across the outer and inner mitochondrial membranes"Cell. 111. 519-528 (2002)

  • [文献書誌] S.Nishikawa et al.: "Nep98p is a component of the yeast spindle pole body and essential for nuclear division and fusion"J.Biol.Chem.. 278. 9938-9943 (2003)

  • [文献書誌] T.Obita et al.: "Peptide library approach with a disulfide tether to refine the Tom20 recgnition motif in mitochondrial presequences"J.Mol.Biol.. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] T.Endo, D.Kohda: "Functions of outer membrane receptors in mitochondrial protein import"Biochim.Biophys.Acta. 1592. 3-14 (2002)

  • [文献書誌] 遠藤斗志也, 小代俊浩, 江崎雅俊: "ミトコンドリアへのタンパク質移行:難問/論争にいかに決着をつけたか"実験医学. 20. 980-986 (2002)

  • [文献書誌] 遠藤斗志也: "オルガネラ形成と分子シャペロン-細胞が用意したタンパク質支援システム"生物の科学-遺伝 別冊. 14. 96-106 (2002)

  • [文献書誌] T.Endo(分担執筆): "Genome Science -Towards a New Paradaigm? (H.Yoshikawa, N.Ogasawara, and N.Satoh, eds) (Elsevier Science Amsterdam)"Mitochondrial protein flux. 274 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi