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2002 年度 実績報告書

小胞体ストレス感知システムとその情報伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14037240
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

河野 憲二  奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (50142005)

研究分担者 都留 秋雄  奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (80273861)
木俣 行雄  奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (60263448)
キーワード小胞体ストレス / UPR / IRE1 / シャペロン / Bip / DnaJ
研究概要

1 UPR (unfolded protein response)は小胞体ストレスにより小胞体内に高次構造異常な蛋白質が蓄積したときに、小胞体シャペロンの遺伝子群を転写レベルで誘導し小胞体シャペロンの発現を高め細胞の恒常性を保つためのストレス応答の1つである。出芽酵母ではUPRに必要な因子として、構造異常蛋白質の蓄積を感知するIRE1、その下流の転写因子のHAC1が同定されている。今回我々はIRE1とHAC1のそれぞれが、小胞体からの輸送小胞形成に関与する温度感受性変異株のマルチコピーサプレッサーになっていることを見出した。このことは、UPRと小胞体からの輸送小胞形成の間に密接な関係があることを示唆している(Higashio, et al.)。
2 小胞体ストレスセンサーIRE1は、小胞体シャペロンBiPにより負に制御されているという仮説が我々や他のグループにより提案されているが、今回我々はBiPの変異株を利用することにより、その仮説が正しいことを直接的に示すことに成功した。BiPはN末側のATP結合領域とC末側の基質認識領域とに分けられる。BiPの変異によりIRE1と結合できない細胞は、小胞体ストレスに関わらずUPRは活性化し、逆にBiPの変異によりIRE1と結合したまま解離できない変異株は、ストレスに関わらず、UPRの活性化は認められなかった(Kimata, et al.)。また植物のIRE1のクローニングを行い、その基本的な生理機能が、酵母や動物と同様に保存されていることがわかった(Okushima, et al.)。
3 小胞体の新規シャペロンJPDIを単離し、その生理機能について検討した。JPDIはN末側にJドメイン、C末側にチオレドキシンモチーフを有する新規小胞体シャペロンで、そのJドメインはBiPと相互作用しそのATPase活性を高めることができる(Hosoda, et al.)。in vivoでの生理機能に関しては今後の検討が必要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kimata, Y.: "Genetic evidence for a role of BiP/Kar2 that regulates Ire1 in response to accumulation of unfolded proteins"Mol. Biol. Cell. 14(in press). (2003)

  • [文献書誌] Hosoda, A.: "JPDI, a novel endoplasmic reticulum-resident protein containing both a BiP-interacting J domain and thioredoxin-like motif"J. Biol. Chem.. 278. 2669-2676 (2003)

  • [文献書誌] Higashio, H.: "A genetic link between the unfolded protein response and vesicle formation from the endoplasmic reticulum"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 296. 568-574 (2002)

  • [文献書誌] Okushima, Y.: "Isolation and characterization of a putative transducer of endoplasmic reticulum stress in Oryza sativa"Plant Cell Physiol.. 43. 532-539 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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