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2005 年度 実績報告書

小胞体ストレス感知システムとその情報伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14037240
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

河野 憲二  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (50142005)

研究分担者 都留 秋雄  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (80273861)
キーワード小胞体 / 小胞体ストレス / シャペロン / 転写調節 / シグナル伝達 / 構造異常蛋白質 / unfolded protein response
研究概要

1 小胞体膜上のストレスセンサーIre1のストレス感知の機構を酵母Ire1を用いて解析した。Ire1はI型膜タンパク質で、N末端側は小胞体内腔にあり変性タンパク質の蓄積を感知し2量体化して活性化する。N末側はこれまでの研究で機能的に5領域に分けられ、このうち2と4の領域がIre1活性に必須である。大腸菌から種々の組換えIre1を作製しin vitroでその性質を解析した結果、領域2-4がタイトにフォールディングをしていること、領域4が2量体形成に関与していることを明らかにした。
2 活性型HAC1の強制発現株で、新規のUPR関連遺伝子をマイクロアレーにより探索した。真核生物では小胞体ストレスに応じて遺伝子発現が変化することが知られており、Unfolded Protein Response(UPR)と呼ばれている。DNAマイクロアレイで調べた結果、出芽酵母Ire1-HAC1経路によるUPRの標的遺伝子として、新規なものを数多く発見した。例えば、分泌蛋白質や細胞表層蛋白質をコードする遺伝子の発現が抑えられた。これは、小胞体ストレス時に新生蛋白質が小胞体に流入するのを減らし、小胞体の負荷を軽くする意義があると考えられる。
3 小胞体シャペロンBipの新規補助因子Rot1pの解析
小胞体内在性Hsp70(BiP/Kar2p)の新規補助因子を探索するために、kar2-1との合成致死遺伝子に注目し、出芽酵母必須遺伝子ROT1を得た。ROT1は複数の小胞体シャペロン遺伝子と遺伝学的相互作用を示し、小胞体に局在するI型膜蛋白質をコードする。Rot1pはKar2pと複合体を形成し、kar2-1 rot1-2二重変異によりモデル蛋白質の成熟に異常を生じた。Rot1pはKar2pと協力して蛋白質折り畳みに寄与すると推測している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Yeast unfolded protein response pathway regulates expression of genes for anti-oxidative stress and for cell surface proteins.2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Kimata
    • 雑誌名

      Genes Cells 11

      ページ: 59-69

  • [雑誌論文] Saccharomyces cerevisiae Rotlp is an ER-localized membrane protein that may function with BiP/Kar2p in protein folding.2006

    • 著者名/発表者名
      M.Takeuchi
    • 雑誌名

      J. Biochem. 139(in press)

  • [雑誌論文] An essential dimer-forming subregion of the endoplasmic reticulum stress sensor Ire1.2005

    • 著者名/発表者名
      D.Oikawa
    • 雑誌名

      Biochem. J. 391

      ページ: 135-142

  • [雑誌論文] 小胞体ストレス感知機構2005

    • 著者名/発表者名
      及川大輔
    • 雑誌名

      実験医学 23

      ページ: 2327-2332

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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