研究課題/領域番号 |
14037256
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小椋 光 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (00158825)
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研究分担者 |
山中 邦俊 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (90212290)
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キーワード | AAAタンパク質 / 分子シャペロン / ATP依存性プロテアーゼ / ATPase / アンフォールディング / 線虫 / 遺伝性疾患 / 転写制御 |
研究概要 |
AAA型シャペロンの共通分子基盤である、Arp加水分解機構、基質タンパク質の案フォールディングとトランスロケーション機構について解析し、提唱してきた「分子間触媒モデル」や「糸通しモデル」を支持する新しい知見を得た。線虫のfidgetinホモログF32D1.1の変異体の解析から、「分子間触媒モデル」を支持する結果を得たほか、ATP加水分解の協調性に関する新たな知見を得た。また、AAAプロテアーゼFtsHの変異体の解析から、ATPaseリングの基質の入口(孔)付近のいくつかの残基および通り道(孔の内部)に位置する酸性残基の機能的重要性を明らかにした。さらに、FtsHがflavodoxinを分解することを見出し、分解がポリペプチド鎖の内部から始まり、両方向に進む証拠を得た。一方、線虫のAAAタンパク質の機能解析では、ヒト疾患や実験動物の発生異常に関連する因子として報告されているAAAタンパク質のホモログについて、RNA干渉法によるノックダウン株および欠失変異株の表現型の解析をほぼ終了した。SpastinホモログC24B5.2の欠失変異体は産卵数の減少や生殖腺形成異常・多陰門などを示した。p97/VCPの欠失変異体は産卵数の減少と未受精卵の増加を示した。また、生育段階における転写量の解析をしたほか、転写開始点の同定などを行った。転写調節領域の同定も進めている。ParapleginとFtsHのキメラタンパク質を精製し、in vitroで活性を解析している。
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