研究課題
特定領域研究
ミトコンドリア膜間腔に存在し、アポトーシスを引き起こすセリンプロテアーゼ0mi/HtrA2は、トポロジーや輸送過程が不明であった。そこで0miのN端側133残基をEGFPに融合させた前駆体と、膜貫通領域と考えられる部分を除いたN端側104残基をEGFPに融合させた前駆体を作成し、細胞で発現させた。その結果、膜貫通領域はプロ体0miを内膜につなぎ止めてプロテアーゼ領域を膜間腔側に配置する上で不可欠であり、成熟体0miの大部分は膜間腔の可溶性画分に存在することを見出した。また0mi前駆体は複数のプロセシング部位をもち、3つのArg残基が重要であると結論された(BBRC 2007)。アポトーシス抑制因子であるBc1-2はミトコンドリアと小胞体の両方に存在する。 Bc1-2はこれら2種類のオルガネラ膜上で異なる活性制御を受けることが示唆されていた。そこで単離したオルガネラを用いたin vitro実験系を構築し検討した。各オルガネラ膜に存在するBc1-2のアポトーシス抑制効果は、Bc1-2をほとんど持たないミトコンドリアからのcyt c流出を指標に検討した。その結果、小胞体膜上のBc1-2はミトコンドリア外膜上のあるBc1-2に比べて、約2〜3倍不活化されやすいことが明らかとなった(ECR 2007)。アポトーシス誘導因子であるBimは、ERストレス時に2つの経路によって活性化される。1つはBimの脱リン酸化によるprotein phosphatase 2Aを介した経路であり、脱リン酸化によってBimのユビキチン化・プロテアソームによる分解が妨げられる。もう一方はCHOP-C/EBPα複合体を介したBimの直接的転写誘導であった(Cell 2007)。
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http://srv02.medic.kumamot0-u.ac.jp/dept/molgen/molgen.html