研究課題/領域番号 |
14039204
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
菅本 晶夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70132686)
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研究分担者 |
渡部 勇 秋田経済法科大学, 経済学部, 助教授 (30310163)
ちょう 基哲 お茶の水女子大学, 理学部, 講師 (10323859)
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キーワード | ニュートリノ / 大統一理論 / 空間の離散化 / LEP2 / Tevtron |
研究概要 |
(1)ニュートリノの質量問題を考える場合に、小さな混合角をもつクォークと大きな混合角をもつレプトンの間にある、混合行列の相違を理解することは重要である。例外群E6を用いる大統一理論のフェルミオンの{27}基本表現には、右巻のダウンクォークと左巻のレプトンが属する{5^*}表現が2つ存在する。従ってこれら2つの{5^*}表現の混合(twist)を通して、クォークとレプトンの左巻成分に関する混合行列に相違が生じる可能性がある。菅本・曹・小原・長嶋は、この模型を用いて2つの{5^*}表現から来る併せて6世代のダウンクォークの質量と混合を議論した。TeV領域に第4世代のダウンクォークがあり、大きな右巻混合(twist)をもつ解は見つかったが、攝動論を用いた計算方法に問題が残った。小原は坂東昌子教授とともにSO(10)大統一模型において、ダウンクォークとレプトンの質量行列成分に0をうまく設定して(Texture0)、観測と矛盾しないニュートリノの質量値と大混合角を得た。 (2)菅本と曹は一つの空間次元が高エネルギーにおいて離散化し消滅する「拡張されたQED模型」を構成し、これをLEP2実験で観測されている電子・陽電子衝突によって2つの光子が生成される過程に適用した。その結果、実験と矛盾しないためには、離散化する空間次元の格子定数が1/461GeV以下でなければならないことを示した。 (3)フェルミ加速器研究所のTevtron実験では、ボトムクォークが予想外に数多く生成されている。この問題を解決するために、「スカラーボトムとグルイノが軽い」というシナリオがあった。曹は、このシナリがLEPとSLCの精密実験の結果と矛盾し、正しくないことを指摘した。
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