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2003 年度 実績報告書

K2K実験:全感知型シンチレータ飛跡検出器を使ったニュートリノ反応の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14039208
研究機関京都大学

研究代表者

中家 剛  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50314175)

研究分担者 横山 将志  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90362441)
キーワードニュートリノ / ニュートリノ振動 / ニュートリノ質量 / フレーバー混合
研究概要

本研究の目的は、ニュートリノ反応で生成される全粒子に対して高感度を有する全感知型検出器を製作しニュートリノ実験を行い、低エネルギーのニュートリノ反応の詳細な研究を行うことである。特にK2Kニュートリノビームの1GeV領域のニュートリノ反応は、少数統計、原子核効果の不定性、各種ハドロンの共鳴状態の存在のためこれまでの測定には20%以上もの不定性を伴っている。今回、我々は新型検出器(SciBar検出器)を導入することで、低エネルギー各種ニュートリノ反応を10%以下の精度で測定することを目指している。
平成15年度は、SciBar検出器を建設し、約4ヶ月間ニュートリノ実験を行った。この間約3万事象のニュートリノ反応を記録した。このデータから、(1)荷電カレント準弾性散乱、(2)中性カレント弾性散乱、(3)荷電カレント1π生成反応、(4)中性カレントπ^0生成反応、(5)深非弾性反応における多重π生成反応、(6)電子ニュートリノ荷電カレント反応の各種ニュートリノ反応を観測することに成功した。また荷電カレント反応におけるμ粒子の運動量分布を測定し、モンテカルロシミュレーションの予想と一致することを確認した。ただし、μ粒子の角度分布においては前方方向でシミュレーションの予想と矛盾しており、ニュートリノ反応研究の上で興味深い課題である。またニュートリノエネルギー測定に用いる荷電カレント準弾性散乱において、陽子とμ粒子の飛跡のエネルギー損失を比較し、誤認率5%以下で陽子飛跡を識別できることを確認した。荷電カレント準弾性散乱の精密測定はニュートリノ振動の研究において、ニュートリノエネルギーを精密に測定するためには必要不可欠な成果である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.H.Ahn, et al.: "Indications of neutrino oscillation in a 250 km long baseline experiment."Phys.Rev.Lett.. 90. 041801 (2003)

  • [文献書誌] T.Nakaya: "Future Experiments with Super neutrino beams"Nucl.Phys.Proc.. 118(Suppl). 210-219 (2003)

  • [文献書誌] T.Nakaya: "The JHF-Kamioka neutrino experiment"Nucl.Instrum.Meth.. A503. 167-172 (2003)

  • [文献書誌] Y.Fukuda, et al.: "The Super-Kamiokande Detector"Nucl.Instrum.Meth.. A501. 418-462 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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