研究課題/領域番号 |
14041211
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
津田 裕之 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90327677)
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研究分担者 |
小原 實 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90101998)
黒川 隆志 東京農工大学, 工学部, 教授 (40302913)
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キーワード | 光信号処理 / 光スペクトル制御 / アレイ導波路回折格子 / 光符号分割多重 / 角度多重ホログラム / 分散補償 |
研究概要 |
時空間変換処理と角度多重ホログラムを利用する新規の符号化/復号化回路を提案し、その特性をシミュレーションで明らかにした。符号化回路では各々のチャネルの入力短パルスをシリアル-パラレル変換器とレンズで時間-空間変換する。角度多重ホログラムには、一定の角度間隔で直交光符号に対応する波形が多重記録されている。光符号化回路では、各チャネルからのパルスは一定の角度間隔で角度多重ホログラムに入力されるので、同じ方向に直交符号化されて出力される。各々のチャネルのパルスは再び空間-時間変換されてとなって伝送路を伝搬する。伝送路を伝搬してきた光信号はシリアル-パラレル変換器によって空間信号に逆変換される。ここで、同じホログラムによって相関処理が行われる。直交符号を利用しているため、相関処理によって異なるチャネルからのクロストークは出力されず、多重化された信号を分離して受信することが出来る。波形シミュレータを作成し、理論通りの符号化/復号化ができることを確認した。 AWG(アレイ導波路回折格子)を利用する光信号スペクトル制御回路により、光ファイバ中の光信号に対する光非線形効果の影響を低減する方法、及び、光非線形効果で劣化した波形をスペクトル位相補償によって再生する方法を検討した。光信号スペクトル制御回路の線形の位相補償(伝送路中の群速度分散によるスペクトル位相変化の補償)能力をシミュレーションによって求めた結果、約4cm角の大きさのアレイ導波路回折格子で最大±260ps/nmの分散補償が可能であり、波路中の屈折率揺らぎの影響は無視できることが分かった。今後、LSIに利用されている8インチ、12インチ基板を利用できるようになれば、少なくともその2〜3倍の位相補償量を実現できると思われる。
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