研究課題/領域番号 |
14041211
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
津田 裕之 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90327677)
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研究分担者 |
小原 實 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90101998)
黒川 隆志 東京農工大学, 工学部, 教授 (40302913)
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キーワード | 光通信 / フォトニックネットワーク / 時空間変換光信号処理 / 光ルーティング / 平面光導波路 / アレイ導波路回折格子 |
研究概要 |
本研究では、光信号スペクトル制御による全光ルーティングのための符号化方法、S/N改善方法、符号化光回路構成の確立及びシステム性能の検証を行うことを目的とする。H15年度は、符号化超高速光信号処理を行うアレイ導波路格子(AWG : Arrayed Waveguide Grating)の高性能化に注力する。超高速光信号処理に適用するために、空間光変調器の集積化及び周波数分解能の向上が不可欠である。その解決策として、導波路基板面から90度光を折り曲げる構造の90度光路変換型AWGと導波路内にミラー構造を導入した導波路ミラー型AWGの設計及び試作を行った。 90度光路変換型AWGは導波路内に深溝を形成し、深溝中に斜め45度の角度で樹脂の表面が傾くように注入・硬化し、金属膜を付着させて作製される。今回設計試作したAWGの仕様は、中心周波数193.1THz、回折次数92、アレイ導波路本数435である。3dB帯域幅(分解能)として約8GHzの値が得られた。 導波路内ミラーを用いたAWGは、ミラーを用いて平行光に変換しているため、周波数分解された等位相面は直線状となる。導波路ミラーは石英導波路をRIEで垂直エッチングした後に、銀鏡反応によって銀を付着させ樹脂コーティングして作製される。ミラーは入射側の中央導波路とスラブ導波路の接点を焦点とする放物形状であり、幾何光学的には中央導波路からの出射光は完全な平行光としてアレイ導波路に入射する。設計したAWGのパラメータは、回折次数480、入力導波路8本、出力導波路16本、アレイ導波路本数40本、FSR400GHzである。中央透過ピークにおける損失は約7dBであり、放物ミラーの不完全さに起因する損失は1-2dB程度であると推測される。
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