研究概要 |
エストロゲン添加によりヒト乳癌細胞株にて発現が変動する遺伝子をSerial Analysis of Gene Expression法により網羅的に解析し、新規エストロゲン応答遺伝子WISP-2を得た。WISP-2に対するポリクローナル抗体を作製しWestern blotをおこなったところ、蛋白レベルでのエストロゲン応答性が確認された。またWISP-2蛋白はMCF-7細胞の全細胞抽出物のみならず培養上清中にも検出され、分泌蛋白であることが明らかとなった。培養上清中におけるWISP-2蛋白の発現量は72時間まで継時的に増加し、添加するエストロゲンの濃度依存的な誘導であった。これまでエストロゲン応答遺伝子は,エストロゲン非存在下でプロテインキナーゼ系により発現調節を受けることが報告されている。WISP-2の発現は、プロテインキナーゼA、プロテインキナーゼCの活性化により既知のエストロゲン応答遺伝子pS2とは異なる発現調節を受けることが明らかとなった。
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