研究課題/領域番号 |
14042220
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
甲谷 繁 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00242529)
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研究分担者 |
石垣 靖人 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20232275)
工藤 昭彦 東京理科大学, 理学部, 助教授 (60221222)
徳村 邦弘 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90111765)
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キーワード | 内分泌撹乱物質 / 環境ホルモン / ノニルフェノール / 17β-エストラジオール / 光触媒 / 可視光応答性 / バナジン酸ビスマス / ニオブ酸銀 |
研究概要 |
本研究では、内分泌撹乱物質(環境ホルモン)として問題となっているアルキルフェノール(AP)と17β-エストラジオール(E2)に対して、下水処理場等における晴天下での分解を想定し、可視光応答性光触媒であるバナジン酸ビスマス(BiVO_4)の特性を明らかにした。また新規光触媒としてニオブ酸銀(AgNbO_3)の開発を行い、内分泌撹乱物質の分解に適用した。以下に本研究で得られた成果を簡潔にまとめた。 (1)BiVO_4による直鎖型アルキルフェノールの光分解は、アルキル鎖長が長くなるほどBiVO_4表面への吸着力が強くなり、分解速度が速くなることが明らかとなった。従って、BiVO_4はノニルフェノールやオクチルフェノールなどの長鎖アルキルフェノールの分解に適している光触媒であると結論づけられる。また、固相抽出とGC-MS分析により生成物の幾つかを推定することができ、反応機構の一端を推論できた。 (2)実際に工業用に使用され、環境問題となっている分岐型ノニルフェノールが、BiVO_4を用いることにより太陽光の下で完全に分解できること、並びにエストロゲン活性も消失することが酵母Two-hybrid試験により明らかとなった。ノニルフェノールの完全分解とエストロゲン活性の消失までの時間差は、何らかの中間体にエストロゲン活性があるためと推測した。 (3)AgNbO_3は400nm以上の可視光照射下においてノニルフェノールをCO_2にまで無機化できることが明らかとなった。また、反応中間体としてギ酸の生成も観測された。
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