研究課題/領域番号 |
14042226
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 寿雄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80273267)
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研究分担者 |
薩摩 篤 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00215758)
服部 忠 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023172)
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キーワード | 内分泌撹乱物質 / チタニア架橋粘土 / 水熱処理 / 酸化チタン / 結晶化 / 光触媒 / 吸着 / 疎水性 |
研究概要 |
近年、内分泌撹乱物質が、広く環境中に存在することが判明し、生態系のみならず、人類の将来をも脅かす物として認識され始めた。水中に存在する内分泌撹乱物質への対策として、光触媒を用いた分解が挙げられるが、酸化チタン触媒が最も活性が高い。触媒の反応速度は濃度が低くなると低下するが、環境水中に存在する内分泌撹乱物質は極低濃度であるので、効率的な除去には、濃縮して分解することが有効である。平成13年度の本特定領域研究により内分泌撹乱物質分子とほぼ同じサイズの細孔を持つメソポーラスシリカを担体としたときに担体上に内分泌攪乱物質が多く吸着しその結果、光触媒活性が向上することを見いだした。そこで本年度は、メソポーラス構造をもった酸化チタン架橋粘土触媒を合成し、検討を行った。 先に我々は酸化チタン架橋粘土触媒に水熱処理を施すことにより、架橋粘土構造を保ちながらチタニアピラーを結晶化させることが可能であり、その結果光触媒活性が向上することを見いだしていた。一般に架橋粘土は疎水性であると認識されているが、本法により合成したチタニア架橋粘土触媒も疎水的であることを確認した。いくつかの内分泌攪乱物質において分子の疎水性・親水性を調べ、チタニア架橋粘土触媒の吸着特性・光触媒特性を検討したところ、疎水性のものほど良く吸着することが確認され、光触媒活性も向上することが見いだされた。吸着によりあらかじめチタニア近傍に内分泌攪乱物質分子を濃縮しておくことで、全体の光触媒分解速度が向上する事が確認された。
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