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2002 年度 実績報告書

鳥類の世代を越える内分泌攪乱物質の生殖毒性機構

研究課題

研究課題/領域番号 14042242
研究機関広島大学

研究代表者

吉村 幸則  広島大学, 大学院・生物圏科学研究所, 教授 (10167017)

研究分担者 藤田 正範  広島大学, 大学院・生物圏科学研究所, 教授 (20124802)
キーワード内分泌かく乱物質 / ウズラ / ノニルフェンール / ジエチルスチルベストロール / 卵への移行 / 生殖機能 / 産卵 / 受精能
研究概要

本研究は、鳥類における内分泌撹乱物質の生殖機能に及ぼす影響を明らかにするために、とくにノニルフェノール(NP)を被検物質とし、孵化後初期にNPを摂取したウズラや母鳥がNPを摂取した次世代ウズラで生殖機能障害が起こる可能性とそのエンドポイントを見出すことを目的として行うものである。今年度は、実験1で産卵中のウズラによるNPの経口摂取に伴う体内および卵黄への移行動態を解析した。実験2では孵化後初期のウズラがNPを経口摂取すると成熟後の生殖機能に障害が起こるかどうかを解析した。実験1において、2mgNPを3日間または5日間投与すると、血液中にはいずれも約1ng/mlの濃度で、肝臓ではそれぞれ約0.5ng/gおよび約1ng/gの濃度で検出された。これらのウズラが産卵した卵の卵黄中でも約0.5ng/gと約1ng/g濃度でNPが検出された。実験2では、孵化後初期にNPを経口摂取させたメスでは、対照区、NP区、DES区のいずれでも性成熟日齢、産卵率、卵重、卵殻重量・厚、生殖器・肝臓重量に差は認められなかった。通常はウズラの卵管は左側だけで認められて右側は発達しないが、DES1区では右側に小型または水腫状の卵管を有するものが認められた。オスでも各処理区の間で精巣の重量と組織像に差は認められず、全てのウズラで精子形成像が観察された。各処理区内の雌雄の交配で、受精率にも処理間で差は認められなかった。以上、経口摂取したNPは血液中に吸収されて卵黄へ移行することが示された。一方、孵化後初期のウズラが今回の量のDESを摂取した場合に、一部で右側卵管の形成異常が認められることはあるが、生殖機能に有意な影響は現れないこと、また今回の条件ではNP経口摂取は雌雄の生殖機能に影響することはないことが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hanako Nishizawa: "Immunolocalization of sex steroid receptors in the epididymis and ductus deferens of immature and mature Japanese quail, Coturnix japonica"Animal Science journal. 73・3. 339-346 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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