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2002 年度 実績報告書

内分泌攪乱物質による免疫応答の攪乱作用

研究課題

研究課題/領域番号 14042256
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

林 秀敏  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80198853)

研究分担者 瀧井 猛将  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80244573)
小野嵜 菊夫  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20101313)
キーワードestradiol / estrogen receptor / Interleukin 1 / HIV-1 / promoter / synoviocyte / arylhydrocarbon receptor / endocrine disrupters
研究概要

1.滑膜細胞からの炎症性サイトカインの産生に及ぼす内分泌攪乱物質の影響
リウマチ患者由来滑膜細胞株MH7Aからの炎症性サイトカインの産生がE2やE2活性をもつ内分泌撹乱物質(DES,Bisphenol A,Nonylphenol,Octylphenolなど)によってどのような影響を及ぼされるのかをIL-1αに注目して検討した。
MH7A細胞を用いてエストラジオール類によるIL-1αの転写活性の変化をIL-1α5'上流域の様々な長さや変異を持つレポーター遺伝子を調製し、ルシフェラーゼアッセイにより測定したところ、E2あるいはE2活性をもつ種々の内分泌撹乱物質で刺激するとエストロゲンレセプター(ER)α依存的にIL-1αの転写活性が大きく増加することが分かった。一方、ERβではこのような活性化はみられなかった。またプロモーター解析の結果からこの転写活性化にはIL-1αのプロモーター領域のGC rich領域が重要であることが明らかとなった。さらに、そのプロモーター領域に多くのGC rich領域を含むTGFβのプロモーター活性を検討しても同様の結果が得られた。IL-1αやTGFβのプロモーターの塩基配列上には典型的なER結合部位は存在してないことから、E2あるいは内分泌撹乱物質により活性化されたERαが直接DNAに結合するのではなく、別の因子を介して転写活性に影響を与えていることが示唆された。
2.ウイルスの複製に及ぼす内分泌攪乱物質の影響
HIV-1(human immunodeficiency virus 1)の複製に対する内分泌攪乱物質の影響を検討するために、HIV-1のLTRプロモーター活性に及ぼす3-メチルコラントレン(3-MC)の作用を調べた。
HIV-1 LTR領域には典型的なXRE(xenobiotic response element)を保有していないにもかかわらず、3-MC処理により、AhR(Arylhydrocarbon receptor)依存的にHIV-1 LTRプロモーター活性が亢進することが明らかとなった。また、HIV-1の構造タンパクの一つであるp24抗原の産生もやはり3-MCやTCDDで亢進していることを見出した。以上のことから、3-MCはAhR依存的に何らかの因子を介して間接的にHIV-1の複製を亢進していることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Ohata, T.Tetsuka, H.Hayashi et al.: "3-Methylcholanthrene activates human immunodeficiency virus type 1 replication via aryl hydrocarbon"Microbiology and Immunology. 47(5)(in press). (2003)

  • [文献書誌] T.Hattori, N.Ohoka, H.Hayashi et al.: "C/EBP homologous protein upregulates IL-6 transcription by trapping negative regulating NF-IL6 isoform"FEBS Letters. (in press). (2003)

  • [文献書誌] T.Takii, S.Kawashima, T.Chiba, H.Hayashi et al.: "Multiple mechanisms involved in the inhibition of proinflammatory cytokine production from human monocytes by N-(p-coumaroyl) serotonin and its derivatives"International Immunopharmacology. 3(2). 273-277 (2003)

  • [文献書誌] H.Hayashi, Y.Inoue, et al.: "TGFβ down-regulates INF-γ production in IL-18 treated NK cell line LNK5E6"Biochemical and Biophysical Research Communication. 300(4). 980-985 (2003)

  • [文献書誌] T.Hattori, N.Ohoka, Y.Inoue, H.Hayashi, et al.: "C/EBP family transcription factors are degraded by the proteasome but stabilized by forming dimer"Oncogene. 22(9). 1273-1280 (2003)

  • [文献書誌] T.Matsumura, T.Degawa, T.Takii, H.Hayashi, et al.: "TRAF6-NF-κB pathway is essential for IL-1-induced TLR2 expression and its functional response to TLR2 ligand in murine hepatocytes"Immunology. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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