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2003 年度 実績報告書

触媒的不斉アシル化を機軸とする環状キラルビルディングブロックの創製

研究課題

研究課題/領域番号 14044014
研究機関茨城大学

研究代表者

折山 剛  茨城大学, 理学部, 教授 (90185687)

キーワード触媒的不斉アシル化 / (S)-プロリン / キラル1,2-ジアミン / ラセミアルコール / 光学分割 / 対称ジオール / 非対称化 / キラルビルディングブロック
研究概要

分子触媒による不斉合成が最近大きな注目を集めているが、我々の研究室でも、キラルな1,2-ジアミンを分子触媒として用いるアルコール類の高エナンチオ選択的不斉アシル化を見出した。キラルな1,2-ジアミンは(S)-プロリンから簡便に誘導され、分子量200程度の小さな分子触媒で、反応には金属を一切用いない環境調和型(グリーン)触媒である。このキラルな1,2-ジアミンを用いる触媒的不斉アシル化は種々のアルコール基質に広く適用できることをこれまで明らかにしてきた。ラセミ第一級および第二級アルコールの不斉アシル化による速度論的分割および、種々の対称1,2-および1,3-ジオールの不斉アシル化による非対称化がそれぞれ高効率かつ高エナンチオ選択的に進行することを明らかにした。さらに不斉誘導がより一層困難と予想される遠隔対称ジオールである環状1,4-ジオールに対しても、基質に対してわずか200分の1当量のキラルジアミンを用いるだけで、オキシラン環、シクロプロパン環、アジリジン環などを有する対称1,4-ジオールを高エナンチオ選択的に非対称化することに成功した。これらの非対称化生成物は、種々の有用な天然有機化合物の環状キラルビルディングブロックとなる。
このような高効率・高エナンチオ選択的不斉アシル化の反応機構を解明するために、遷移状態、あるいは中間体を明らかにする計算も現在進行中である。現時点では、塩化ベンゾイルとキラルな1,2-ジアミンがアシルアンモニウム塩を形成し、これがアシル活性種となっていることを示唆している計算結果が得られている。今後さらに詳細な計算を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] D.Terakado, T.Oriyama: "Catalytic Asymmetric Acylation of Alcohols using a Chiral 1,2-Diamine Derived from (S)-Proline : (1S,2S)-Trans-1-Benzoyloxy-2-bromocyclohexane"Organic Syntheses. (発表予定).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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