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2002 年度 実績報告書

ルテナサイクル中間体を鍵とする分子変換反応

研究課題

研究課題/領域番号 14044023
研究機関東京農工大学

研究代表者

小宮 三四郎  東京農工大学, 工学部, 教授 (00111667)

研究分担者 小峰 伸之  東京農工大学, 工学部, 助手 (90302918)
キーワードルテニウム / フェノール / ルテナサイクル錯体 / 不飽和カルボン酸 / 炭素-ヘテロ結合切断
研究概要

我々はこれまでにフェノール性水酸基をはじめとする配位性官能基を有する有機化合物と低原子価ルテニウム錯体との反応により、炭素-水素結合が強制的にルテニウム中心に接近し、sp^3炭素-水素結合の切断反応による5員環ルテナサイクル錯体が容易に形成されることを明らかにしてきた。本年度は、本手法を応用した炭素-ヘテロ結合の切断反応を経たルテナサイクル錯体の合成と応用を目指し、メトキシ、エステル、ホルミルまたはアミド基がオルト位に置換したフェノール類と低原子価ルテニウム錯体との反応を行った。その結果、オルト位にメトキシ基もしくはエステル基が置換したフェノール類との反応では、酸素-水素結合の切断に連続して、炭素-酸素結合が切断され、対応するルテナサイクル錯体が得られることが明らかとなった。一方、ホルミル基がオルト位に置換したフェノール類との反応では、酸素-水素結合の切断に連続して、炭素-水素結合の切断反応が進行したが、アミド基がオルト位に置換したフェノール類と低原子価ルテニウム錯体との反応では、酸素-水素結合の切断は進行するものの、炭素-ヘテロ結合の切断は進行しなかった。また、オルト位にメトキシ基とホルミル基もしくはエステル基がそれぞれ置換した二置換フェノール類のとの反応では、メトキシ基の炭素-酸素結合に優先して、ホルミル基の炭素-水素結合もしくはエステル基の炭素-酸素結合の切断反応が進行した。
また、これまでに不飽和カルボン酸と低原子価ルテニウム錯体においては、sp^3-炭素-水素結合とsp^2-炭素-水素結合の競争的反応場において、sp^3-炭素-水素結合が優先的に切断されることが明らかとなっている。この反応の支配因子の解明を目的として、理論計算を行った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Komiya, et al.: "Synthesis of and Stereospecific Hydride Migration in Cationic (Tricyclicarene) (cyclooctadiene)ruthenium(II) Complexes"Organometallics. 21(26). 5738-5745 (2002)

  • [文献書誌] S.Komiya, et al.: "Synthesis and β-Hydrogen Elimination of Water-soluble Dialkylplatinum(II) Complexes in Water"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 76. 183-188 (2002)

  • [文献書誌] S.Komiya, et al.: "Bond Activation by Low-valent Ruthenium Complexes"J.Chem.Soc. Dalton Trans.. 1439-1453 (2003)

  • [文献書誌] S.Komiya, et al.: "Ligand Displacement Reaction of Ru(η^4-1,5-COD)(η^6-1,3,5-COT)"Organometallics. (in press).

  • [文献書誌] S.Komiya, et al.: "Regioselective C-H or N-H bond Cleavage Reactions of Heterocyclic Compounds by [Ru(1,5-COD)(1,3,5-COT)]/Monodentate Phosphine"Inorg.Chim.Acta. (in press).

  • [文献書誌] S.Komiya, et al.: "Activation of Substrates with Polar Single Bonds"Fundamental of Molecular Catalysis. (in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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