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2003 年度 実績報告書

新規高反応活性金属錯体の開発とその電子授受能力を利用した複素環化合物の合成

研究課題

研究課題/領域番号 14044081
研究機関九州大学

研究代表者

永島 英夫  九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (50159076)

キーワード分子触媒 / ルテニウム触媒 / アミジナート配位子 / 複素環合成 / ラクタム / ラジカル反応 / 複核錯体
研究概要

本研究は、高活性な金属中心を金属と配位子により形成される金属を含む環状構造(メタラサイクル)を構築することにより創製し、その酸化還元能力の精密制御をメタラサイクルを構成する元素や置換基により達成することを通じて、効率的な触媒的複素環合成反応、「分子内の適当な位置に炭素-炭素多重結合と炭素-ハロゲン結合を有する基質を遷移金属触媒により活性化し、環化反応をおこして触媒的に複素環を合成する反応」、の実現を図ることを目的としている。平成14年度の研究成果として、アミジナート配位子をもつルテニウム錯体、すなわち、N-C-N-Ru-環状構造をもつ錯体が、優れた一電子酸化還元機能をもち、N-アリルトリクロロアセトアミド類の環化反応に、従来よりもさらに高活性な触媒することを示した。その際の問題点として、ルテニウムアミジナート錯体が空気、水に不安定であり、有機合成反応触媒としては使用しにくい点があった。平成15年度においては、複核構造をもつルテニウムアミジナート触媒を開発し、その活性種である、カチオン性配位不飽和複核ルテニウムアミジナート種を、空気、水に安定な中性複核ルテニウムアミジナート前駆体から、反応系中で発生する方法を工夫することにより、高活性触媒種の発生に成功した。その結果、従来法では過熱が必要であったアルカロイド骨格をもつN-アリルトリクロロアセトアミド、および、N-アリルジクロロアセトアミド類の環化反応を室温で、触媒回転数よく達成し、有機合成触媒としての有用性を証明した。また、得られたラクタムのα位へのアルキル基の導入も、温和な条件でアルケンと同じ触媒の作用で達成した。以上より、最適な構造、電子構造をもつ触媒の設計を通じて、従来達成できなかった骨格構築等を含む、新規効率的複素環合成へと展開しうることを実証した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Motoyama, M.Gondo, S.Masuda, Y.Iwashita, H.Nagashima: "A Cationic Diruthenium Amidinate, (η^5-C_5Me_5)Ru(μ_2-i-PrN=C(Me)Ni-Pr)Ru(η^5-C_5Me_5)]^+, as an Efficient Catalyst for the Atom-transfer Radical Reactions"Chemistry Letters. (印刷中).

  • [文献書誌] H.Nagashima, H.Kondo, T.Hayashida, Y.Yamaguchi, M.Gondo, S.Masuda, K.Miyazaki, K.Matsubara, K.Kirchner: "Chemistry of Coordinatively Unsaturated Organoruthenium Amidinates as Entry to Homogeneous Catalysis"Coordination Chemistry Reviews. 245. 177-190 (2003)

  • [文献書誌] V.N.Sapunov, R.Schmid, K.Kirchner, H.Nagashima: "The importance of interligand interactions to structure and reactivity of coordinatively unsaturated ruthenium and iron half-sandwich complexes - application of the TSC concept II"Coordination Chemistry Reviews. 238. 363-382 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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