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2003 年度 実績報告書

三次元金属錯体をテンプレートとする不斉な多重環状レセプターの一段階合成

研究課題

研究課題/領域番号 14044090
研究機関大阪市立大学

研究代表者

築部 浩  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00144725)

研究分担者 篠田 哲史  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00285280)
キーワードサイクレン / らせん構造 / 不斉認識 / 自己集積体 / アームドサイクレン / アームドマクロサイクル
研究概要

生体系に匹敵する優れた認識機能をもつ環状レセプター化合物の開発は、種々の生命現象を分子レベルから理解するのに不可欠であり、金属イオンの精密分離系や有機基質のセンシング系の構築にも重要である。本研究では、不斉な多重らせん構造をもつアームドマクロサイクル・金属錯体を開発して、配位結合など非共有結合を用いて、これらを集積化また架橋化する多重環状レセプターの合成ルートを開拓した。
(1)多重らせん構造をもつアームドマクロサイクル・金属錯体の構築:4本の金属配位性側鎖をもつ12員環アームドサイクレンが、ナトリウムイオンと安定な八配位型金属錯体を形成し、4重らせん構造を誘起することを明らかにした。これらに様々な光学活性側鎖を導入し、多彩なキラル三次元金属錯体の系統的な合成ルートを開拓した。さらに、3本の金属配位性側鎖をもつ9員環トリアミンが、リチウムイオンと六配位型錯体を形成することを見い出し、不斉な3重らせん構造の構築へと展開した。
(2)多重らせん構造をもつアームドマクロサイクル・金属錯体の集積化:コレステロール側鎖を持つアームドマクロサイクル金属錯体が、水溶液中で安定なキラル超分子集積体を形成し、ダンシル置換アミノ酸アニオンなどの疎水性基質を不斉選択的に包接することを見い出した。特に、9員環アームドマクロサイクル・リチウム錯体からなる超分子集積体を用いると、蛍光性アミノ酸アニオンのキラリティーを裸眼で検出できることを明らかにした。
(3)多重らせん構造をもつ金属錯体を活用する多環状化合物の鋳型合成:架橋反応性基としてピリジシ環構造を側鎖に導入したアームドサイクレン・ナトリウム錯体を三次元鋳型として、アルカリ金属イオンおよびジオキソレニウムイオンへの配位結合を用いた側鎖架橋化を実現した。これらアームドマクロサイクル金属錯体の特徴ある三次元構造を活用した認識機能の高次化がさらに期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Kubo, T.N.Player, S.Shinoda, H.Tsukube, H.Nariai, T.Takeuchi: "Chiral Recognition of Octadentate Na^+ Complex with Tetra-Armed Cyclen by Molecularly Imprinting Polymers"Anal.Chim.Acta. 504. 137-140 (2004)

  • [文献書誌] H.Tsukube, S.Shinoda: "Armed Cyclen Receptors : From Three Dimensional Cation Recognition to Supramolecular Architecture"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 77(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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