研究概要 |
2座配位子であるMartin ligandを2個もつ5配位のP-ベンジルホスホランのアピコフィリシテイーに反したO-cis(1a)および安定なO-trans(2a)体の合成法を以前に確立したので[1]、本研究では、butyllithiumでそれぞれのα-anion,3a-Li(mixture of δp(CDCl_3)-17.8ppm,-21.5ppm)と4a-Li(δp(CDCl_3)-21.2ppm)を発生させ、N,α-diphenylnitroneと反応させた。中間体として、6配位のphosphateである1,2,5-oxaphospholidine,8(δp(THF)-110,-107ppm, ratio ca. 2:3)と9(δp(THF)-84,-19; ratio ca. 1:2),を系中で観測し、それらを加水分解して、反応で生成したP-O結合が開裂した5配位の付加体である化合物6を得た。6の収率はそれぞれ50%と80%であった。それらは立体異性体の混合物であり、それぞれを分離し、x-線回折により構造を決定した。それらのリンおよびαβ-位の炭素の立体配置は、8からは、6-Sp*R*R* and 6-Sp*S*R*(57:43)と9からは6-SpR*R* and 6-Sp*R*S*(34:66)であった。6は全てO-trans体であり、8から得られるはずのO-cis体である7は全く得られず、7がpsuedorotationして、6が得られたと考えられる。psuedorotationについては、3a-Liと4a-Liの臭素化によっても確認した。 [1]K.Kajiyama, M.Yoshimune, M.Nakamoto, S.Matsukawa, S.Kojima, and K-y.Akiba, Org. Lett.,2001,3,1873-1875.
|