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2003 年度 実績報告書

ピリジン環隣接位に不斉中心をもつ不斉新規P,N―リガンドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 14044105
研究機関京都薬科大学

研究代表者

上西 潤一  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50167285)

キーワードキラルリガンド / 不斉反応 / ピリジン / ピロリジン / パラジウム触媒
研究概要

本研究の目的は、ピリジン環とリン原子を合わせ持つハイブリッド型不斉リガンドとしてピリジン環2位に隣接した不斉炭素とある一定の距離を挟んでホスフィン部を有する新規不斉複素環分子を合成し、多元素間協調による新しい不斉空間の構築とその有用性をさぐることにある。
平成15年度の本研究において以下のような新しい成果を得ることが出来た。
昨年度までと同様の方法で、一定の位置にジフェニルホスフィノ基を有しかつ、ピリジン環の隣接位に不斉中心を有する光学的に純粋な1-(2pyridinyl)ethylamine類を収率よく合成した。得られたP, N光学活性キラルリガンドの存在下に、Rの不斉中心を有する1-フェニル-3-アセトキシブテンとメチル置換アセト酢酸エステルにPdを触媒とするアリリックアルキル化反応を行った。従来の機構から反応は光学活性なπ-アリルPd錯体を経由するため、生成物はアリル位のαおよびγ位(1位と3位)における位置選択性とアセト酢酸エステル側の面選択性によりその立体化学が決定される。その結果、すべてのリガンドで3位選択的に反応が起こり、3位がR配置を持つカップリング生成物が収率よく得られた。しかしながらそのジアステレオ選択性は2:1でしかなかった。そこでピリジン環窒素原子の空間的位置にカルボキシル基を有するオルトジフェニルホスフィノ安息香酸を用いたところ、ジアステレオ選択性が93%まで上昇し相当するカップリング体が高収率で得られた。この結果をもとに、γ-ラクトン環上に連続した4級3級炭素を含む3つの不斉中心が存在する抗腫瘍活性化合物アセトマイシンの不斉合成を行った。今回の反応で一挙にその骨格の合成と不斉導入を行うことが、7段階収率23%で(-)-アセトマイシンを合成することが出来た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] J.Uenishi, M.Kawatsura, D.Ikeda, N.Muraoka: "Construction of Consecutive Chiral Non-racemic Quaternary and Tertiary Carbon Centers : A Short Synthetic Route to(-)-Acetomycin"Eur.J.Org.Chem.. 20. 3909-3912 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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