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2002 年度 実績報告書

ゲル化駆動部位を結合させたオイルゲル化剤ポリマーの合成とゲル化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14045231
研究機関信州大学

研究代表者

英 謙二  信州大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60126696)

キーワードソフトマテリアル / ゲル化剤 / 物理ゲル / 超分子化学 / 自己組織化 / 水素結合 / ポリシロキサン
研究概要

本研究は(1)水素結合や疎水性相互作用などの非共有結合をとおして液体を固化(ゲル化)するゲル化駆動機能と(2)非晶性のポリマー(あるいはオリゴマー)は溶液中から結晶化しないという現象に着目し、これらの二つの機能を結合させた結晶へ転移しない安定なゲルを形成する有機ゲル化剤ポリマーの合成を目的とした。すなわち、(2)の機能を有する非晶性のポリマーあるいはオリゴマーに(1)の機能をもつゲル化駆動部位を共有結合でつなげることにより、低分子の自己集合性と高分子の非晶性という一見、相矛盾する二つの機能を階層化させた新規な有機ゲル化剤ポリマーを開発したわけである。本研究で提唱する有機ゲル化剤ポリマーは熱力学的に安定なゲルを形成するのみでなく、形成されたゲルの機械的強度は低分子化合物の有機ゲル化剤の形成するゲルと比べ向上することが分かった。
筆者が開発した10種類以上のオイルゲル化剤の構造に基づき、その中でも特に強いゲル化能を示した有機ゲル化剤の構造をアレンジし、官能基を有する化合物をゲル化駆動部位として合成した。具体的には、これまでの筆者の研究より優れたゲル化剤であることがわかっている化合物をアレンジして官能基として末端アミノ基を有する化合物をゲル化駆動部位として合成した。他方の非晶性のポリマーあるいはオリゴマーとして、イソシナナート結合を有するポリエチレングリコール、オリゴエチレングリコールを合成した。ゲル化駆動部位として官能基を有する化合物を非晶質ポリマーであるポリシロキサンやポリエチレングリコールと反応させ、多数のゲル化駆動部位を結合させたオイルゲル化剤ポリマーを合成しそのゲル化機構を解明した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Masahiro Suzuki et al.: "A Family of Low-Molecular-Weight Hydrogelators Based on L-Lysine Derivatives with a Positively Charged Terminal Group"Chem. Eur. J.. 9. 348-354 (2003)

  • [文献書誌] Hiroshi Abe et al.: "Morphological studies of a (self-assembling oil gelator/liquid crystal) composite system"Liquid Crystals. 29. 1503-1508 (2002)

  • [文献書誌] 英 謙二: "有機ナノファイバーの創製と応用に関する研究"繊維学会誌. 58. 213-216 (2002)

  • [文献書誌] Satoshi Kobayashi et al.: "Preparation of Helical Transition-Metal Oxide Tubes Using Organogelators as Structure-Directing Agents"J. Am. Chem. Soc.. 124. 6550-6551 (2002)

  • [文献書誌] Masahiro Suzuki et al.: "Preparation of Porous Polymers by "in Situ Precipitation" Using Low Molecular Weight Gelators"Polymer J.. 34. 474-477 (2002)

  • [文献書誌] Norihiro Mizoshita et al.: "Electrooptical properties of liquid-crystalline physical gels : a new oligo(amino acid) gelator for light scattering display materials"J. Mater. Chem.. 12. 2197-2101 (2002)

  • [文献書誌] Masahiro Suzuki et al.: "Novel family of low molecular weight hydrogelators based on L-lysine derivatives"Chem. Commun.. 2002. 884-885 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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