研究課題/領域番号 |
14045235
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松岡 辰郎 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60252269)
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研究分担者 |
香田 忍 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10126857)
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キーワード | 微粒子分散複合材料 / ポリ塩化ビニル / ポリプロピレン / 超音波顕微鏡 / ガラスビーズ / マイカ / 圧縮率 / 境界層 |
研究概要 |
本研究では様々な成形条件で作られた(ポリ塩化ビニル)PVCと(ポリプロピレン)PPをマトリクス材とする複合材料について、ミクロレベルで形成される種々の階層構造、および高分子複合材料の階層構造とミクロ音響特性の関係を明らかにし、分散質の分散状態と分散質とマトリクスがなす階層構造の形成メカニズムが高分子複合材料の全体の物性に与える影響を調べることを目的としている。本年度は、超音波顕微鏡の改造、PVC、PPの複合材料について成形条件の検討を行うことを計画した。 TAC (Time-to-Amplitude Converter)法により試料全体の縦波および横波音速度を、超音波顕微鏡によるVz曲線の解析よりマトリックス部分の漏洩擬似縦波(LSSCW)の音速度を測定した。 PVC-ガラスビーズ複合材においてLSSCWの速度がガラスビーズ濃度、粒径に依存しなかった。したがって、ガラスビーズの添加によるPVCマトリクスの変化は起こらないと考えられる。縦波音速度は、ガラスビーズ濃度、および粒径の増大に伴って大きくなる。横波音速度は、粒径に対して依存性が見られなかった。 縦波および横波音速度および、試料密度から、ガラスビーズの圧縮率(κ_g)、PVCの圧縮率(κ_<PVC>)を求め、二状態モデルから計算した、PVC-ガラスビーズ境界層は、PVCマトリクスよりもわずかに堅く、4μm以下の厚さを持つことがわかった。PVC-マイカの複合系でも同様な評価を行なった。粒子が球状でないため厚みの評価はできないが、PVC-ガラスビーズ系より質量比で多くの境界層が存在することが示唆された。
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