• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

SAXS/Hv光散乱同時測定による相分離したポリマーブレンド中での球晶成長の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14045248
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

櫻井 伸一  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (90215682)

キーワード光散乱 / 小角X線散乱 / 同時測定 / 相分離 / ポリマーブレンド / 結晶性ポリマー / 球晶
研究概要

結晶性ポリオレフィンを一成分に含むポリマーブレンドやブロック共重合体では、相分離したポリマーブレンド中やミクロ相分離したドメイン中での結晶化と球晶形成が特に注目されている。相分離したポリマーブレンド中での球晶成長については、結晶性ポリマーの種類によって、球晶が形成されなかったり、逆に単独成分の球晶よりも大きくなる場合も報告されている。また、球晶成長メカニズムについても統一見解が得られていない。
相分離したポリマーブレンド中で拮晶性ポリマーが球晶を形成する場合、球晶成長のメカニズムとして、(1)相分離構造を破壊することなくこれを伝って結晶ラメラが放射状に成長、(2)相分離構造を破壊しながら結晶ラメラが放射状に成長するが、その過程で非結晶成分を結晶ラメラ間の非晶領域へと排出する、(3)相分離構造を破壊しながら結晶ラメラが放射状に成長するが、その過程で非結晶成分を球晶外部へ排出する、の3通り考えられる。
本研究では、結晶成分として直鎖状低密度ポリエチレンを、非結晶成分としてエチレンブロピレンゴムを用い、そのポリマーブレンドの相分離した空間内でポリエチレン球晶が成長する場合に、上記のいずれのメカニズムで成長が進行するかを明らかにした。この目的のため、小角X線散乱(SAXS)測定と偏光解消光散乱(HvSALS)測定を同時行えるように同時測定システムを構築し、球晶成長過程の時分割同時測定により、SAXS法からは結晶ラメラの長周期を求め、HvSALS法からは球晶半径を算出した。
直鎖状低密度ポリエチレンとゴムのブレンドにおいて、球晶成長は遅いがポリエチレン単独の場合よりも大きな球晶が形成されることがわかった。また、結晶化終了後のサンプルの室温SAXS測定の結果では、結晶ラメラの長周期は単独系の場合とほとんど変わっていなかったので、相分離構造を破壊することなくこれを伝って結晶ラメラが放射状に成長することによって、球晶が成長すると結論付けられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Okamoto, K.Yamamoto, S.Hara, I.Akiba, K.Sakurai, M.Takeuchi, S.Ueno, S.Abe, H.Takahashi, A.Koyama, M.Nomura, S.Sakurai: "Simultaneous SAXS/WAXD/Hv-SALS/DSC Measurement Technique for Polymers at BL-9C of Photon Factory (KEK)"J. Appl. Cryst.. (印刷中).

  • [文献書誌] S.Okamoto et al.: "Crystallization in microdomains of a block copolymer comprising semi-crystalline block observed by simultaneous"J. Macromol. Sci & Phys.. (印刷中).

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi