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2003 年度 実績報告書

SAXS/Hv光散乱同時測定による相分離したポリマーブレンド中での球晶成長の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14045248
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

櫻井 伸一  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (90215682)

キーワード偏光光散乱 / 小角X線散乱 / 広角X線散乱 / 同時測定 / ポリマーブレンド / 相分離 / 球晶 / 結晶性高分子
研究概要

融点以上の温度から所定の結晶化温度にクエンチして小角・広角X線散乱/偏光光散乱同時測定を行った。温度クエンチ直後では、球晶に特徴的なクローバーパターンは観察できなかったものの、やがてクローバーパターンが出現してくるのが確認できた。散乱強度のピーク位置から球晶半径を評価した。その結果、相分離構造の特徴的なサイズ(約0.2〜0.3μm)よりはるかに大きい球晶が形成されること、ホモポリマーよりも相分離したブレンド試料のほうが成長は遅いものの、最終的には大きな球晶が得られることがわかった。一方、結晶ラメラの長周期はブレンドの組成にかかわらずほぼ一定の値となり、相分離構造よりも結晶ラメラ厚みが十分小さいことがわかった。また、見かけの結晶化度はすべての試料で時間とともに増大したが、ブレンド中のゴム成分が増加するにつれて最終到達結晶化度は低下した。
以上の結果より、LLDPE相をたどって結晶ラメラの成長が進み、球晶が成長したことが示唆される。また、ブレンド試料では相分離構造により一部核成長が阻害されるが、阻害されなかった核が大きく成長した結果、ホモポリマー中よりもブレンド試料中のほうが球晶が大きく成長できたと推測される。
本研究では測定手法として小角・広角X線散乱/偏光光散乱同時測定を用いたが、これまで別々に行われていたこれらの測定を向時に行うことで、異なる長さの尺度での結晶化挙動の解析を全く同一の温度制御下で行うことができ、高分子の結晶化挙動・特に球晶成長についてより建設的な考察を行うことができた。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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