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2002 年度 実績報告書

水素結合由来のサイコロ型ナノクラスターのキラリティと機能化

研究課題

研究課題/領域番号 14045251
研究機関大阪大学

研究代表者

宮田 幹二  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029322)

キーワードクラスター / 水素結合 / サイコロ / 超分子 / キラリティー / 一級アミン / 有機酸 / 結晶構造解析
研究概要

我々の研究グループは、トリフェニルメチル基のような大きい置換基をもつカルボン酸と一級アミンの組合せから、有機ナノクラスター(4+4)が生成し、サイコロ型水素結合をもつことを発見した。本研究は、このサイコロ型ナノクラスターの構造と機能に関する研究をさらに発展させることを目的とし、得られた成果を以下に列挙する。
1.種々のサイコロ型有機ナノクラスターを合成することに成功した。トリフェニルメチル基をもつ有機酸と一級アミンの組合せを様々に変えた結果、例えば、トリフェニルメチル基をもつ方をカルボン酸から一級アミンに変えても、カルボン酸をスルフォン酸や塩化物イオンに変えても、サイコロ型ナノクラスターの生成することがわかった。
2.これらのクラスターの単結晶X線構造解析を行い、水素結合を詳細に求めた結果、サイコロのキラリティを決定できることが明らかになった。これらのサイコロには左まわりのものと右まわりのものとがある。これは、アキラルな分子から超分子キラリティーが出現する、非常に珍しい例である。
3.カルボン酸と一級アミンからなるクラスターの場合、各面の水素結合を分類した結果、キラルな構造の生成する仕組みが明らかになった。さらに、2種の混合アルキルアミンでもクラスターの生成を確認できた。水素結合網に加え、トリフェニルメチル基の回転方向を分類すると、キラル発生の仕組みがさらに明確になった。
4.有機酸としてできる限り強い酸を用いて、サイコロ型ナノクラスターの生成を調べ、興味ある結果を得ている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Matsumoto: "Reaction Principles and Crystal Structure Design for the Topochemical Polymerization of 1,3-Dienes"Angew.Chem.Int.Ed.. 41・14. 2502-2505 (2002)

  • [文献書誌] T.Itoh: "Topochemical Polymerization of 7,7,8,8-Tetrakis(methoxycarbonyl) quinodimethane"Angew.Chem.Int.Ed.. 41・22. 4306-4309 (2002)

  • [文献書誌] N.Yoswathananont: "A Novel Three-component Pseudo-polymorphism in the Cholamide Inclusion Crystals Promoted by the Combination of Organic Guest and Water"Chem.Lett.. (12). 1234-1235 (2002)

  • [文献書誌] K.Kato: "Interpretation of Enantioresolution in Nordeoxycholic Acid Channels Based on the Four-location Model"Chirality. 15・1. 53-59 (2003)

  • [文献書誌] N.Yoswathananont: "Dependence of Selective Enclathration on Types of Cholic Acid Crystals"Organic & Biomolecular Chemistry. 1・1. 210-214 (2003)

  • [文献書誌] 宮田幹二(分担執筆): "一目でわかる先端化学の基礎"大阪大学出版会. 119-124 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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